天神中央公園そばにある「オ・ボルドー・フクオカ」は、フランス・ボルドー市のワインがそろうワインバー。実は西鉄が店舗経営している。ワインの仕入れを担当し、J.S.A.ワインエキスパート資格の取得も目指す西鉄社員に、おすすめのボルドーワインや料理の魅力を聞いた。
お店の場所は福岡市中央区西中洲。天神から徒歩圏内にありながら、閑静で落ち着いた雰囲気が流れる一画だ。飲食店が立ち並ぶ「ハレノガーデン」がある天神中央公園内は緑にあふれていて、那珂川のリバーサイドで景観もいい。明治通り側にあるエントランスからお店に入ると……
中洲の夜景が見えてきれい! ぜひリバーサイドのテーブル席をねらってほしい。
席についたら、さっそくワインと料理を注文したいところ。「オ・ボルドー・フクオカ」の運営を担当する都市開発事業本部 ビル・SC事業部の安丸さん、北川さん、立野さんに、おすすめの料理やワイン、お店の特徴について教えてもらった。
ワインに詳しくないのですが、どのようにワインを選んだら良いですか?
詳しくなくても大丈夫ですよ。赤・白・ロゼ・スパークリングそれぞれおすすめの数種類をセレクトして、メニュー表に掲載しています。使われているブドウの品種や味わいなどもメモしているので、参考にしながら気になるワインを選んでみてください。もちろん、スタッフに尋ねていただいてもOKです!
今なら白ワインは、すっきりさわやか&フレッシュで繊細な「DOMAINE DE RICAUD(ドメーヌ ド リコー) 」(グラス780円)、「Château Turcaud(シャトートゥルコー)」 (グラス980円)、「DIANE SEMILLON(ダイアン セミヨン)」(グラス1,180円)の3種類をおすすめしています。
料理と組み合わせるなら、例えば「Château Turcaud(シャトートゥルコー)」、こちらは2020年のものです。柑橘類やエキゾチックなフルーツ、マンゴーやライチ、ライム、フローラルノートの強烈な香りが特徴で、長い余韻が楽しめます。
いっしょに味わうなら「サーモンマリネ」(1,600円)がおすすめ。華やかな香りとふくよかな味わいがサーモンの味を引き立ててくれて、ベストな組み合わせです。
赤ワインなら、「Château
Marzin(シャトーマルザン)2016」(グラス880円)、「CHATEAU
CALVIMONT (シャトーカルビモン)2019」(グラス1,200円)、「CHATEAU
HAUT VEYRAC(シャトーオーベイラック)」(グラス1,870円)が今のイチオシです。
なかでも「Château
Marzin(シャトーマルザン)2016」は、私たちスタッフの間でも評判の味わい。ダークフルーツや樽の香りがあり、スパイシーでバランスの取れたワインです。ロバをかたどったエチケット(ラベル)のデザインもユニークですよね。ボトルを見て直感的に「ジャケで選ぶ」のも有りだと思います。
料理を合わせるなら、「生ハムとオリーブ」(1,400円)かな。「パテ・ド・カンパーニュ」(1,100円)や「パストラミポークのサラダ仕立て」(1,100円)など、お肉を使った軽めの前菜にぴったりかと。
ボトルで頼むなら、おすすめは?
「Château Julia(シャトー・ジュリア)」のこの1本。5大シャトーのひとつである「シャトー・ラトゥール」の隣の畑で作られていて、年間生産6,000本の希少ワインです。ジューシーできめ細やかなタンニンで、ブルーベリージャムやカシスの香りが特徴。ほのかなバニラの香りと調和した長い余韻が続きます。在庫が残り少なくなってきたので早いもの勝ちです。
地下にはワインセラーがあり、約120種類・4,000本のワインが収蔵されています。ワインは小売りもしているので店内で楽しんでいただくのはもちろん、プレゼントや景品にもおすすめです。
私のお気に入りは、「CLOS FLORIDENE(クロ・フロリデーヌ)」(ボトル7,500円)。ボルドーのみならず、世界中の白ワイン造りに大きな影響を与えたボルドー大学の故ドゥニ・デュブルデュー教授が、グラーヴ地区の南部に所有していたシャトーから届いた1本です。
なかには、メニューに掲載していない有名シャトーの高価なワインもあります。100万円を超えるボトルもあるので、詳しくはスタッフに尋ねてみてください。
そもそも「ボルドーワイン」ってどんな特徴があるんだろう?仕入れや在庫管理も担当する北川さん、立野さんのお二人に、基本を教えてもらった。
西鉄が「オ・ボルドー・フクオカ」の運営を始めたのはいつから?
お店ができたのは2016年5月で、西鉄は2019年7月から運営に携わっています。私がオ・ボルドー・フクオカを担当したのは2020年4月から。ここのメンバーのなかでは最古参です。業務をはじめた頃はちょうどコロナ禍の真っただ中で……。営業も仕入れもうまく進められず、手探り状態だったのを覚えています。
「オ・ボルドー・フクオカ」では、なぜボルドー市のワインを取り扱っているんですか?
福岡市は1982年11月8日にボルドー市と姉妹都市を締結しました。そのご縁から、「オ・ボルドー・フクオカ」は日本で唯一のボルドーワイン委員会公認ワインバーとなりました。
唯一ってすごいですね! ボルドーワインの特徴をおしえてください。
ブドウの品種は赤白ともに主流が決まっていて、白ワイン用はセミヨンやソーヴィニヨン・ブラン、ミュスカデル、赤ワイン用はカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロー、カベルネ・フランなどがあります。また、かなり甘口の白ワイン「貴腐ワイン」も有名で、ソーテルヌという地区で作られています。美しい街並みで世界遺産にもなっている「サンテミリオン」も有名な産地ですね。
「ボルドー=高級」というイメージがありますが、手ごろな価格帯のワインも実はたくさんあるんですよ。「ボルドーワインを気軽に楽しんでほしい」という思いから、「オ・ボルドー・フクオカ」では比較的カジュアルな価格帯のワインを数多くそろえています。グラスは700円台、ボトルは3,000円からお楽しみいただけます。
それはうれしいですね!
ちなみにお二人とも、かなりワインに詳しいですが、ワインの知識や仕入れのノウハウは、どのようにして学んだんですか?
えっと……独学ですね。ワインを仕入れる段階で、前任の仕入れ担当が残してくれていたリストを参考に、インターネットで調べたりワインに詳しい方を訪ね歩いたりして、業務の中で学んでいった感じです。
ワイン検定のシルバークラス(※)に合格してるもんね。
※日本ソムリエ協会が主催する「ワイン検定」。ブロンズクラス、シルバークラスがあり、ブロンズ認定者のみがシルバーを受験できる。
次の目標としては「ワインエキスパート」「ソムリエ」といった段階があります。どちらも難易度が高いらしくて……。今は「エキスパート」合格を目指して勉強中です。
仕事の魅力はどんなところ?
自分で選んだワインを実際に仕入れ、お客さまに提供できるところです。魅力的なワインや生産者とも出会えます。また、今年の6月にはついにフランスへ!ボルドーワイン委員会のメンバーと現地で合流して、いっしょにシャトーをめぐります。
私も以前、現地でいくつかシャトーをめぐったことがあります。生産地には広大なブドウ畑が広がっていて、そのなかにぽつんと工場があって。作り手の仕事現場を体感できたほか、自然ゆたかなボルドーの景観も魅力的でした。
最後に、「オ・ボルドー・フクオカ」のおすすめの楽しみ方をおしえてください!
17時から19時までは、平日限定でハッピーアワーを開催しています。スパークリングワインor赤白ワインorビール1杯+オードブル(生ハムorパテ・ド・カンパーニュ)で1,600円(チャージ代500円含む)。0次会におすすめです。
私のおすすめは季節のフルーツパフェ。スパークリングワインやサングリアとよく合います。ソフトドリンクも用意しているので、お酒が苦手でも気兼ねなくいらしてください。
「パーティーボード」は、知る人ぞ知るうちのサービスメニュー。生ハムやパテ・ド・カンパーニュ、シュリンプカクテル、明太バゲット、チーズなどのフードメニュー3~4人前に加え、ボトルワイン1本が付いて8,000円という破格のセットなんです。(※チャージ料金別途)
2次会にも使えるお得なプランなので、ぜひ気軽に利用してください!
西日本鉄道株式会社
都市開発事業本部
ビル・SC事業部 SC統括担当 課長
2004年入社。長年、都市開発事業本部にて企画開発や商業施設運営に従事。
西日本鉄道株式会社
都市開発事業本部
ビル・SC事業部 SC統括担当
2018年入社。「チャチャタウン小倉」「ソラリアステージ」の運営管理やリニューアル業務に携わり、2020年4月から「オ・ボルドー・フクオカ」担当。仕入れや在庫管理、企画、販促、接客など店舗運営をリードする。
西日本鉄道株式会社
都市開発事業本部
ビル・SC事業部 SC統括担当
2023年入社。7月より同部署へ配属され、「オ・ボルドー・フクオカ」を担当。SNS更新をメインで担当するほか、北川さんのもとで店舗業務全般を担当する。