西鉄バスの公式キャラクターで、2018年に開催された「第2回バスキャラ選手権」では日本一に輝くなど全国でも多くのファンがいるババ・バスオ。
そのババ・バスオのテーマソング&ダンスが完成し、2025年3月9日にソラリアプラザ1階のイベントスペース「ゼファ」でお披露目された。テーマソング&ダンス誕生の背景を詳しく聞いた!
ババ・バスオ(以下、バスオ)は、福岡県の「県の鳥」であるウグイスをモチーフとしたグリーン色の体が特徴。福岡県出身のクリエイター・パントビスコさんがデザインした、西鉄バスの公式キャラクターだ。
誕生後、西鉄バス関連のさまざまなイベントに出演するほか、2019年8月にはアイランドシティ営業所にて「ババ・バスオ誕生祭」を開催。ステージイベントやオリジナルグッズの販売などが大好評で、全国各地から参加いただいたバスオファンと素敵な思い出をつくることができた。
ところが、2020年以降はコロナ禍の影響でイベントの中止が相次ぎ、バスオの出番も激減……。バスオもファンの皆さんに早く会いたいとずっと願っていた。
そうしたなか動き出した公式テーマソング&ダンスの制作プロジェクト。完成した楽曲は「一度聴いたら頭から離れない」「クセになる」と西鉄社内でも話題に。かなりインパクトのある仕上がりとなっている。
ババ・バスオの担当者である自動車事業本部の関美織さんに、制作について詳しい話を聞いた。
実は大学生時代からバスオのことが大好きで。在学中、2019年に開催された「ババ・バスオ誕生祭」を知った時から、バスオに携わるお仕事ができたらいいなと夢見ていました。
入社2年目の昨年度からバスオ担当としてPRやイベントを企画していて、バスオに囲まれたデスクで働いていることが夢のようです。
テーマソング制作のきっかけとなったのは、パントビスコさんとのお打合せでした。パントビスコさんから「西鉄バスとやってみたいこと」というリストをいただき、バスオに関するさまざまな企画のアイデアをいただきました。
パントビスコさんならではの楽しくて新しいアイデアを多数いただいたのですが、そのなかのひとつに「ババ・バスオのテーマソングを作る」がありました。バスオ担当者としても、テーマソングがあればきっとバスオの活躍の幅が広がるだろうなと考えていました。
そんな時、コロナ禍がやってきます。イベントが制限され、バスオを応援してくださっているファンの皆さまに会いたくても会えない日々が続いていたため、お客さまへの感謝を込めて何か大きな仕掛けができたらいいなとずっと悩んでいました。
すると、ちょうどバスオの今後を考えていたタイミングで、会社に一本の電話が掛かってきたという。なんと、楽曲制作を手掛ける株式会社アプラのご担当者から「ババ・バスオのテーマソングを作ってみませんか?」というアプローチをいただいた。タイミングも相まって運命を感じた関さんは「ぜひ一度打ち合わせを」と話が進んでいった。
制作はどのように進めたのでしょうか?
まずは「どんな楽曲にしたいか」「どんな曲調をイメージしているか」など私たちの要望をお伝えした後、制作側から3パターンのデモ楽曲を提示していただき、イメージに近いものを選ばせていただきました。
選定はスムーズでしたか?
実は担当者の間でも意見が分かれてしまったので、担当部署内だけでなく、いろんな年代・性別の方々の意見を集めました。最終的にはいちばんキャッチーで覚えやすいメロディーに決定。それからAメロ、Bメロ……と肉付けしていく流れでした。
ただ、公式キャラクターのテーマソングを作るということ自体西鉄にとっては初めての試みで、制作についてわからないこともたくさんありました。そこで、バスオの生みの親でもあるパントビスコさんに作詞と監修をお願いすることに。
以降は、私たちが2者をつなぐ形でやりとりをしながらイメージを固めていきました。スタートしたのは2024年2月だったので、約1年という長い期間をかけたプロジェクトとなりました。
西鉄からはどんな要望を?
公共交通機関として、まずは「安全・安心」のイメージは必須でした。あとは「明るい」「覚えやすい」「歌いやすい」など、ゲームやアニメの人気テーマ曲のような雰囲気で。また、イベントやバスの乗り方教室などで使用することも想定して、交通マナーの啓発にもなる楽曲になればと考えていました。
歌詞ではいかがですか?
歌詞については、同じく「安心・安全」のイメージを保ちつつ、表現の大半はパントビスコさんにお任せしました。できあがってきた歌詞はババ・バスオにちなんだ「バ」をたくさん使っていただき、「バスタイム」や「バスケ」など「バス」とかけたダジャレなど親しみの持てるもので、みんなに好きになってもらえそうだと直感しました。
また、西鉄の企業理念やバスならではの用語も盛り込んでいただいたので、西鉄バスのババ・バスオならではの歌詞に仕上がったと思います。
完成した楽曲を聴いて、いかがでしたか?
イメージどおりですごく気に入りました。一度聴くと頭から離れなくて、中毒性があるんですよね(笑)。制作中も何度も聴いていたので、帰宅して気づいたら口ずさんでいた、なんてこともありました。何回もやり取りをしながら約1年かけて制作してきたので、完成版を聞いた時は喜びと達成感がありましたね。
特にお気に入りのポイントは?
「スマート・ループな気持ちでGO!」など西鉄バスならではの歌詞やバスにまつわるエフェクトなど、細部にもいろんな仕掛けがあります。パントビスコさんとアプラさんのこだわりがギュッと詰まった楽曲に仕上がっておりますので、何度も聴いて楽しんでほしいですね。
ダンスはどのように制作を?
楽曲に合わせてアプラさんに制作していただきました。サビの部分の羽をはばたかせるような振りつけが特にバスオらしいポイントです。子どもやダンスが苦手な方でも楽しく覚えられる振りつけなので、イベントなどでぜひ一緒に踊っていただきたいですね。
2025年3月9日(日)には、天神にあるソラリアプラザでお披露目イベントが開催された。また、ババ・バスオのオリジナルグッズも合わせて販売。なかには、ぬいぐるみを片手にババ・バスオの晴れ姿を見守ってくださる方も。あたたかく和やかな雰囲気のなかで、テーマソング&ダンスをお披露目できた。
ダンスはYouTubeで公開中!記事の最後にもあるので、ぜひご覧ください!
バスオがメインとなるイベントは2019年の誕生祭ぶりなので、8年もの長い間応援していただいている皆さまへの感謝の意を込めて「サンキューの日(3月9日)」をお披露目の日にしました。
楽曲・ダンスが完成したのは2025年2月。お披露目会まで1ヶ月を切っていたので、週に2回会議室に集まってダンスの練習に励んできました。忙しい業務の合間を縫ってご協力いただいたバスオダンサーズの皆さんには感謝しかありません。
天神の中心地でもあるソラリアプラザでお披露目ができたので、幅広い世代の方に見ていただくことができ、バスオにとっても大きな一歩になったと思います。学生の頃から大好きなバスオにこうして関われるなんて、本当に幸せです。
トークショーで、ババ・バスオの誕生秘話やテーマソングの歌詞制作について語ってくれたパントビスコさん。歌詞には安全への意識や西鉄の想いなどを、ババ・バスオの視点で盛り込んでくれた。
「ソラリアのこんなに大きな広場で、自分が描いたキャラクターのテーマソングや新しいバスのお披露目をできるなんて思ってもみませんでした。テーマソングを作るお話を聞いたときは、うれしくてうれしくて。ババ・バスオが生まれた年からずっと見守ってきて愛情もたっぷりでしたから」
歌詞づくりで大切にしたことは?
主人公であるババ・バスオは西鉄バスの運転士。歌詞にはドライバーならではの視点や想い、景色が込められています。制作にあたり、西鉄さんの想いをヒアリングしながら何度もやりとりをしながら進めてきました。
特にお気に入りの歌詞は?
どの部分にも思い入れのある歌詞ですが、特に気に入っているのはCメロの部分です。
変わる景色 変わらぬ街 季節の移ろいを
この大きなスクリーンで眺め 走るのが好きなんだ
ね、なかなか素敵でしょ? 実は聴くたびにジーンときてます。
今後はどのように展開したいですか?
バスの中でこの曲が流れたり、街中でも聴けるようになったりしたらうれしいですね。いろんな人・場所でダンスをしてYouTubeで公開するとか。再生数が上がって話題になったら、いよいよ紅白も見えてくるかもしれません(笑)。
さらに、パントビスコさんがデザインしたラッピングバス第2弾も2025年3月10日(月)から運行がスタートした。春らしいピンク色のデザインバスが、福岡のまちをかわいく走り抜けている。
横から見ることのほうが多いかもしれませんが、正面のデザインもかわいいですよ。前後左右にババ・バスオがいるので、ぜひいろんな角度から見ていただきたいと思います。写真撮影&SNSでのシェアも大歓迎。福岡のまちを走るババ・バスオの姿を私もたくさん見たいので、お待ちしています!
ババ・バスオのラッピングバスは、能古渡船場やマリナタウンから天神・博多駅を結ぶ「シーサイドももち線」を運行中※。西鉄バスの運行情報を知らせるアプリ「にしてつバスナビ」をダウンロードすれば、「2884」の車両番号で追跡ができる。
※運行路線は変更となる場合があります。
テーマソング「バババ!バババ!ババ・バスオ!」は今後、イベントや子ども向けのバスの乗り方教室などで披露される予定。ゆくゆくは、小学校の運動会の定番ダンスになるかも……?!
YouTubeでダンス動画を公開中!ぜひ踊ってみて下さい!
西日本鉄道株式会社 自動車事業本部 営業部 営業企画担当。
2022年入社。1年目は高速営業企画担当として高速バスのPRを担当。2023年から、現在の営業企画担当としてババ・バスオやキャンペーン・タイアップなどのPRに関わる業務を担当。大学生の頃からババ・バスオの大ファンだった。
クリエイター
ババ・バスオの生みの親。インスタグラムでは2014年から毎日投稿を行い、現在の作品点数は1万点以上。
SNS総フォロワー数は約80万人。
著書の出版、メディア出演、雑誌連載や広告制作、キャラクターデザインなど幅広くクリエイティブにまつわる活動に従事している。
2021年12月には地元福岡県久留米市より「くるめふるさと大使」を委嘱される。
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