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いつもおなじみのあの場所、あの建物。そんな身近なビル設備の安全・安心を担っている「西鉄ビルマネージメント」の仕事。福岡・天神の中心部である「ソラリアステージビル」、西鉄福岡(天神)駅、福岡三越が入居する「ソラリアターミナルビル」などを管理する「ソラリアステージ警備」「ソラリアステージ設備」の動きに密着!!
寒さが残る3月のある日、早朝4時30分——。いつもはショッピングや移動の際に利用するソラリアステージビルとその周辺は、すっかり静まりかえっていた。
4時55分。ソラリアステージ大画面広場の西側にあるシャッターが、ギシギシと音を立ててオープンする。
しばらくすると、シャッター開放作業を担当する警備員の男性が、さっそうと姿を現した!
シャッター開放作業をはじめ、開館・閉館などに関わる業務は時間厳守。決められた時間内に作業を済ませるため、移動もかなり早足だ。
シャッター開放のボタンを押した後、外周点検へ。施設周辺を歩いてまわり、道路やドアの施錠などを手早く確認していく。
施設を一周したら、西鉄福岡(天神)駅の出入り口のシャッターも開放する。そろそろ始発電車の時間。1人、2人、3人と改札に向かっていく。
この時間帯にソラリアステージ警備にあたる警備員は、通常5人ほど。それぞれの担当に分かれてシャッターを開けたり、エスカレーターを始動させたり、開館作業を進めていく。
決められた時間に、決められた場所を開放していく。
こうして取材をしてみると、普段は当たり前の環境が警備員たちの手によって守られていることがしみじみと実感できる。
各自の持ち場の安全確認が終わり、合流した警備員たちの後ろ姿がものすごく頼もしい。
5時30分。
ソラリアステージビル1階にある荷捌きスペースでは、ビル内にあるスーパー「レガネット」の取引先が次から次へと商品を搬入。ここでスタッフの出入りをチェックするのもソラリアステージ警備の仕事。
地下2階、天神きらめき通り側には別の警備室がある。ここでも搬入業者や店舗スタッフたちが続々と入館。
エスカレーターを始動させながら館内を歩いている途中で、ようやく周囲が明るくなってきた。
慣れた手順で粛々と開館作業を進めていく警備員のみなさん。
ところが、素人から見ると、確認箇所がとにかく多い! 聞くと、ヒューマンエラーが起こらないよう別の警備員が「確認巡回」をおこない、二重、三重にチェックをしているという。
「ソラリアステージ」のエレベーターは、6時30分ちょうどに動き出す。定時より5分ほど前に到着。時間どおりに始動したことを確認し、エレベーターで移動する。
基本は1人で持ち場をまわるため、無線や電話などで連絡を取りながら連携体制をとっている。
時間通りに正確に、そして安全に開館作業を進めることが彼らの任務。
こうして時間にあわせて開館作業を進めていると、あっという間に数時間が過ぎていった。
毎日9時には朝礼がスタートする。もうすでにかなり館内を歩き回った気がするが、まだ朝の9時!
あいさつや連絡事項の共有、社則の唱和などを30分ほどで済ませる。
朝礼後、10時にオープンする「雑貨館インキューブ」のシャッターをオープンする。このシャッターは重いため、合図に合わせて5、6人で一斉に開ける。
「ソラリアステージ」がオープンする10時、「ソラリアステージ警備」の開館作業はいったん落ち着く。日中は警備室で関係者の入退館を管理するほか、救護などの緊急連絡に備えて休憩室で待機するスタッフも。
おかげで私たちは、日中安心して商業施設やビル、駅を利用できるわけだ。
一方、「ソラリアステージ設備」を担うスタッフたちは、「ソラリアステージ」M2階にある「防災センター」を拠点に働いている。
設備管理を担う「防災センター」では、「ソラリアステージ設備」のスタッフが24時間常駐。トラブルがあればいつでも対応できる体制が整えられている。
午前中には定期点検、午後は報告書や見積書の作成などデスクワークをするのが基本だが、設備トラブルが発生すればその都度対応。
こちらは、2週間に1回の電気設備巡視点検の様子。2人1組で現場に向かい、装置内のデータを目視確認。1人が数値を読み上げ、もう1人が記入する。
線路内に入って作業する際は、鉄道の安全を守る「列車監視員」立ち合いのもと作業するのがルール。作業自体はおおよそ10~15分で完了。
点検作業が終わって事務所に戻ると、防災センターに入居テナントからの連絡が。以前、雨漏りで防水処理をした際に天井に施したシートを撤収してほしいという依頼だった。
連絡を受けたら、動ける人員でさっそく現場へ。脚立やバケツなど必要な道具を持ってテナントへ。
連絡を受けたテナントに到着したらスタッフに声をかけ、さっそく現場へ。無事にシートを撤去。作業は10分もかからず完了した。
毎週決められた曜日には、西鉄薬院駅の電気設備巡視作業とコンセントの点検、分電盤の点検作業も実施している。
また、この日は午後に警固公園に隣接する「パークサイドビル」での点検作業も実施された。
さらにこの日は、年に1度の防火対象物・防災管理点検の日。西鉄ホールなどの防災設備の点検も1日を通して実施されていた。
週1回・月1回などの定期点検が、建物ごとに何十件も実施されているほか、状況に応じて緊急対応にあたっている。私たちがビルや駅など公共の空間が問題なく機能し、安心・安全に利用できているのは、まさしくこうした管理のおかげなのだ。
20時過ぎ。ふたたび「ソラリアステージ警備」に動きあり。
20時30分には「雑貨館インキューブ」が営業終了。閉館作業を進めていく。
閉館時間を過ぎたら、お客さまが館内に残っていないか目視で確認していく。誰もいないことを確認できたら、シャッターをクローズ。この後は開館作業の流れと同様に、館内のシャッターを締め、エスカレーターを止めていく。
その後、各店の閉店時間に合わせて閉館作業へ。
そして、1日の最後には西鉄電車の終電に合わせてビルの出入り口をクローズする。
時刻は23時15分。大画面横のシャッターを半分締めた後、ビルの外周点検へ出向く。
23時30分過ぎ。下りの終電が発車し、上りの終電を降りたお客さまが全員退出したことを確認したら、駅の乗務員と連携しながらシャッターを締める。
警備員は、エレベーター内に誰も残っていないことを確認して閉館作業終了。
「お疲れさまでした!」と言いたくなるが、この時間帯にいるスタッフは夜勤シフト。朝方までビルの安全・安心を守る仕事は続くのだ。
0時過ぎ、完全に閉まったシャッターをしみじみと眺めながらビルを後にした。
「西鉄ビルマネージメント」では、私たちが日ごろ利用している建物の安全・安心を守る「ビル管理」の仕事を担っている。最大の強みは、ビル設備の新築・更新工事から維持管理、ライフサイクル提案までのサービスをワンストップで提供できること。
設備管理、警備、環境衛生、ホテル清掃、建築設備工事、機械警備、PPP事業、防災サポート、駐車場管理。業務内容はかなり幅広いが、こうしたワンストップサービスが信頼へとつながり、今では大型商業施設をはじめ、公共施設やオフィスビルまで300件以上の物件を管理している。
「ソラリアステージ」M2階にある「防災センター」を拠点にしている「ソラリアステージ設備」担当の若手社員2名に、日々の仕事や働きがいについてインタビューした。
話を聞いたのは、2019年度入社、24歳の荏隈宏斗さんと2022年入社、21歳の小代舞佳さん。
この仕事を志望した理由は?
高校は電気科を卒業したので、電気関係の仕事に就きたいと思っていました。天神の中心で働きたかったこともあって調べてみたところ、いくつか候補が見つかりました。なかでも西鉄ビルマネージメントを選んだ理由は、正直言うと「安心感」ですね。福岡では誰もが知っている企業ですし、天神で働ける点にも魅力を感じました。
私は機械系の学校出身です。福岡で、作業系の仕事ができる就職先を探していて、先生の紹介もあって入社を決めました。電気系の知識はなかったので、入社してから働きながら少しずつ覚えていきました。
入社前と入社後で仕事のイメージは変わった?
入社前は、空調や電気などの設備に関わることばかりだと思っていたのですが、そうでもなかったですね。入居しているテナントさまとのコミュニケーションや書類のやりとりの機会も多いなと感じました。
あと、一番驚いたのは「防災センター」で勤務することですね。設備の管理だけではなく、防災訓練や救急の対応など建物の安全に関わるすべての情報が、この「防災センター」に集まってきます。
私は、見積書の作成などの事務作業もけっこうあるのが意外でした。管理に関わる規定の書類もたくさんあり、そうした必要書類をきちんとまとめていくのも、私たちの重要な仕事のひとつなんです。
これまで大変だった業務や難しかったことはありますか?
定期点検など決められた業務のほかに、緊急対応が求められる仕事は常に大変だと感じています。
例えばどんな事例が?
ある時、バスターミナルで外国人観光客の方が転倒されて、壁のガラスが割れてしまったことがありました。夜中の出来事で、しかも日本語も通じなくて……。翻訳アプリを使いながら何とかコミュニケーションを取り、救急車や警察を呼んだりして大変でした。
あとは、宿直中、深夜にエレベーターからの緊急電話が鳴ってドキッとしたこともあります。「もしかしたらお客さまがまだ中に……?」と一瞬不安になりましたが、電話を取ってみると工事会社の方で、トラブルではなかったのでほっとしました。
大変と言えば、私が思い浮かべるのは年に1回のソラリアステージの法定停電ですね。毎年2月に1日だけ、深夜1時から4時までの間、全館を停電状態にして、変圧器や緊急時に作動するブレーカーなどの確認を行います。
大変なポイントは?
決められた時間内に既定の点検を安全に終了しなければならないので、かなりの緊張感があります。前後の準備を含めると21時から朝6時まで。この日だけはいつもより人員を増やして総勢7、8名で、協力会社さんも加わって作業にあたります。
エレベーターが緊急停止する、多目的トイレのブザーが鳴る、など…。そんなトラブルに早急に対応が求められる「防災センター」での業務。日々の仕事で感じる働きがいについて聞いた。
働きがいを感じるのはどんな時?
先ほど例に挙げた「法定停電」など、大掛かりな作業が無事に終わった時ですね。「無事に終わってよかった」と、緊張がほぐれて心からほっとできます。
私は空調や水漏れなどのトラブル対応で現場に出向いた時、テナントの担当者さまから感謝していただける瞬間がうれしいですね。「ありがとうございます」というシンプルな一言なのですが、日々の仕事で声を掛けていただけるとやりがいを感じます。
仕事を通して自身が成長したと思うことは?
電気関係の知識は入社前に得ていましたが、いざ働きはじめると、一つひとつの現場が勉強になっています。空調などの設備に関する知識は入社してから得られたものだし、消防など建物の管理に必要な法律についても同じですね。
入社して6年目。経験が増えるごとに、任せてもらえる仕事の種類も変わってきました。消防点検や改修などのスケジュールをテナントさまと相談しながら決めるなど、計画に関わる多くの取引先との調整もそのひとつ。少しずつできる仕事が増えている実感があります。
最初は場所や業務内容を覚えるので精いっぱいでしたが、最近はもう一歩前進できた気がしています。点検や修繕で道具の準備をする時でも、昔は現場で道具が足りなくて取りに戻ってきたこともあって……。
でも、今ではいろんなケースを想定できるようになったし、対応力もアップしたと感じます。単に「作業する」のではなく、何のために作業にあたるのか、本質的な部分を理解できるようになったからだと思います。基本的には2人1組で動くので、先輩方の仕事を間近で見ながら教えてもらえることも大きいですね。
私たちが普段利用する建物やまちの空間の安心・安全を支えているのは、こうしたビル管理の仕事に従事するスペシャリストたちの存在に他ならない。
いつもは「当たり前」だと思っているあんなことやこんなことも、実は西鉄ビルマネージメントの仕事だ——。そんな視点で周囲を見直してみれば、もっと自分の身の回りの空間や福岡のまちのことが好きになれるかもしれない!
西鉄ビルマネージメント株式会社
設備管理部 ソラリアエリア担当 ソラリアステージビル
2019年4月1日入社。設備管理部 ソラリアステージ配属後、西鉄天神高速バスターミナルを担当。現在は主にソラリアステージビルを担当し消防設備点検業務や設備管理業務全般に携わる。
西鉄ビルマネージメント株式会社
設備管理部 ソラリアエリア担当 ソラリアステージビル
2022年4月1日入社。設備管理部 ソラリアステージ配属後、平尾高架下の設備管理業務を担当。現在はソラリアパークサイドビル全般を担当し、検針業務や設備管理業務などに携わる。
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