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関西圏進出で若手も活躍!
全国へ広がる西鉄の不動産事業
今後の可能性や働きがいに迫る

関西圏進出で若手も活躍! 全国へ広がる西鉄の不動産事業 今後の可能性や働きがいに迫る

関西圏の不動産事業に注力し、この数年で着実に業績を重ねてきた西鉄。2022年には「グランド・サンリヤン甲子園三番町」が完成。2024年夏には関西事業所が新設された。さらに、2027年までに4棟の分譲マンションが竣工予定だという。

西鉄の関西進出——この大きな波を引き起こしている原動力とは?現場ではどんな人財が活躍しているのか?事業拡大の最前線「不動産事業本部・関西事業所」を訪れ、舞台裏に迫った。

目次

関西圏でのこれまでの不動産事業展開

1994年に誕生した「サンリヤン」シリーズを皮切りに、227棟1万4千戸を超える分譲マンションを供給してきた西鉄グループの不動産事業。九州で積み重ねた実績を礎に、近年では首都圏や関西圏のみならず中京圏や札幌など日本全国に展開している。
また、ベトナム、インドネシア、タイ、アメリカなどの海外でも開発を進めている。

2024年11月竣工 グランドサンリヤン西新

2025年2月、西鉄は大規模な組織改正を発表した。そのひとつが「住宅事業本部」と「首都圏開発事業部」を統合し、「不動産事業本部」を新設するというもの。本部の直下に西日本事業部・東日本事業部を置いたことから、「福岡と首都圏」をメインに据えた従来の事業マップを、「日本全国」へと改めたことがわかる。

関西での不動産事業は、2004年の「サンリヤン平野西」(59戸、大阪府大阪市)に端を発する。その翌年に「サンリヤン苦楽園」(27戸、兵庫県西宮市)、2016年に「ザ・京都レジデンス御所南」(43戸、京都府京都市)を竣工し、現在販売中の「グランド・サンリヤン甲子園三番町」(45戸、兵庫県西宮市)へと続く。

グランド・サンリヤン甲子園三番町

「グランド・サンリヤン甲子園三番町」の竣工を契機に、西鉄の関西進出が加速する。なにしろ現在決まっているだけでも、西鉄が単独で開発する分譲マンションと、JV(※)として参画するプロジェクトを合わせて以下の4棟が竣工を予定しているのだ。

※JV:Joint Venture(ジョイントベンチャー)の略称。複数の企業が合同で出資して、新しい会社やプロジェクトを立ち上げること。不動産業界では「共同売主」の意味で用いられる。

  • プレミスト京都 松ケ崎(394戸、2026年3月入居開始予定)
  • プレディア京都桂御所(108戸、2026年3月下旬入居開始予定)
  • サンリヤン堺(125戸、2026年5月入居開始予定)
  • ブランズシティ東岸和田(240戸、2027年1月入居開始予定)
サンリヤン堺

若手社員が躍動! 西鉄の不動産事業本部・関西事業所

こうした現場の活発化に合わせ、西鉄の不動産事業本部は昨年4月に「関西事業所」の新設を決めた。所属する9名で運営するこの組織、聞けば課長・係長以下20~30代の社員を中心とした若い力が活躍しているチームだという。

そこで関西事業所を訪れ、市塲颯亮さん、髙濱夏希さん、竹之下大貴さんの若手社員3人に、気になる「関西事業所立ち上げの裏側」について話を聞かせてもらった。

竹之下大貴さん(左)、髙濱夏希さん(中)、市塲颯亮さん(右)

どのような経緯・想いで関西事業所に異動を?

市塲さん
市塲さん

私は入社から3年間、福岡で住宅関連の業務をしてきました。仕入れた用地に建設計画を立案し、物件化したマンションの販売を管理する仕事です。不動産業界は首都圏や関西圏のほうが、福岡に比べてマーケットが大きく活発な傾向があります。福岡勤務時代から関西での住宅開発物件にも携わっていたため、転勤の打診を受けて了承しました。

髙濱さん
髙濱さん

2023年入社時の初期配属から関西圏の用地の仕入れを担当していて、そのまま関西事業所へ異動となりました。今後のキャリアパスを構築していくうえで、事業所の立ち上げ・県外での仕事は、経験を積むチャンスだと感じています。

竹之下さん
竹之下さん

昨年5月ごろ、新入社員としての研修のさなかに関西の不動産事業について知りました。幅広い西鉄の事業のなかでも特に不動産への興味を持っていたこと、関西の大学に通っていたので土地勘が活かせると考えたことが志望の理由です。

関西事業所を立ち上げて、メリットを感じたことは?

髙濱さん
髙濱さん

入ってくる情報量が多いことです。現状、事業所立ち上げ前と比較して2倍に迫る量の情報が得られているので、検討できる案件の数が格段に増えました。その分、ひとつひとつの判断に対する的確性とスピード感が大切だと感じていますし、事業所としてもかなり重視しています。

市塲さん
市塲さん

関係者と顔を突き合わせて打ち合わせができるメリットも大きいですよね。これまでは月に1回ほどの出張とWEBでの会議が主でしたが、週に1度定例を行う設計や広告・販売等についても集まって行えるようになりました。事業所ができたおかげでより一つのプロジェクトチームとして業務を推進できるようになったと感じます。

福岡と関西。働く中で感じる違いは?

市塲さん
市塲さん

決定的な違いは、経済規模の大きさです。九州で分譲マンション開発が盛んなのは福岡市内など一部に限られています。しかし、関西なら、大阪はもちろん兵庫、京都など、多地域で分譲マンションの需要がある。展開できるエリアが多くて広いです。

高濱さん
高濱さん

一方で、知名度の差を感じることもありますよね。地元・福岡では広く浸透している西鉄のイメージも、関西圏では数あるうちの一社として認識されているように感じます。

市塲さん
市塲さん

そうした状況だからこそ、福岡を拠点としていた頃から育んできた「ご縁」が心強かったです。今までは出張のタイミングでしかお会いできなかった関西圏の業者さんとの関係性を深めることができ、ご縁の輪を広げていけました。こうした信頼関係の構築や発展に取り組めることに、新天地ならではのやりがいを感じています。

関西事業所だからこそ得られる経験と成長

関西事業所を立ち上げるなかで、嬉しかったことは?

竹之下さん
竹之下さん

自身の成長を感じられたことです。私の場合は福岡勤務を経ることなく関西事業所に配属されたので、当時は右も左もわからない状況でした。それでも、上長や市塲さんのもとで仕事を学び、今では担当する物件を持ち、「プレディア桂御所町」と、「ブランズシティ東岸和田」を任せていただけるようになりました。今でも定例会議に出席するときには緊張しますが、「西鉄を代表する社員」という自覚を持って発言するよう心がけています。

高濱さん
高濱さん

関西圏での前例がない事業にチャレンジができるのは嬉しいポイントです。たとえば、昨年度より和歌山市駅の向かいに商業施設・マンション複合の、再開発を行うプロジェクトに携わっています。こうした事業への参画は関西圏では初の試みです。

西鉄として初めて進出するエリアで、まちの再開発プロジェクトを推進していくことへの難しさは日々感じますが、その分、やりがいもあり自身の成長につながる貴重な経験だと感じています。

市塲さん
市塲さん

私が嬉しかったのは、新天地で会う人々とのつながりを得られたことです。たとえば大阪では業界内で「若手デベロッパーの会」や「〇〇年生まれの会」など、さまざまな括りでの交流会が定期的に開かれています。そうした場にお招きいただいて、同じ業界の方や、プロジェクトでは直接の関係がない人とも友好的な関係を築けました。会社の住宅手当を利用して住みたい町に住むことができたのも嬉しいですね。仕事はもちろんですが、プライベートの充実度も高いと感じています。

髙濱さん
髙濱さん

関西には対人関係を大切にする文化が根付いていますよね。実際に私も、会で知り合った同い年の女性とプライベートで連絡をとる間柄になりました。関西に出てきたからこそできたつながりです。

竹之下さん
竹之下さん

たしかに人当たりの良さ、心根の温かさはビジネスの現場でも実感しています。1年目の社会人だった私に対して、取引先の方々は対等にお話しをしてくださいました。事業所には同期がいないので不安もあったのですが、前向きに充実感をもって仕事をさせていただいています。

反対に、大変だったことや困ったことはありましたか?

市塲さん
市塲さん

最初の1カ月はシェアオフィスすらない状態だったので大変でした。月曜日から金曜日まで大阪のホテルに滞在して、週末に福岡に戻るという生活が続きました。それぞれがホテルの部屋で仕事をして、ミーティングが必要なときには会議スペースをレンタルしながら仕事を進める日々でした。

高濱さん
高濱さん

正直、最初は「ホテル暮らし」にウキウキしていたんですけど、思ったよりも大変で……。洗濯や寝心地の問題もあるので、「家」って大事だなと再確認しました。

市塲さん
市塲さん

オフィスができるまでの間は、大きく制約がかかる環境下での仕事だったので相応の苦労もありました。しかし、竹之下くんが仲間に加わり、チーム一丸となって乗り越えていったことで結束力が増したと感じています。

竹之下さん
竹之下さん

私にとっては充実感を得られた日々でもあります。先輩方はオフィスがない状況でも手厚くサポートしてくださいました。今は期待に応えられるよう頑張りたいと思っています。

関西事業所のこれからの展望

こうしてスタートを切った関西事業所は、今後の目標として毎年度売上高100億円を達成することができる事業所体制の確立を掲げている。今後も、関西事業所の増員を予定しており、事業拡大に向けたバックアップの体制を整えていく予定だ。

万博開催やうめきた地区の再開発が進む大阪では不動産業に追い風が吹いている。町のアクションに呼応するように人が集まり、地価が上昇しているのだ。

さらに、大阪周辺には京都や兵庫などの個性的で魅力ある町が点在することから「関西は発展の可能性に満ちている」というのが3人の共通認識だった。市塲さんは「福岡からやってきた私たちだからこそキャッチできる地域の特色や強みにスポットを当てて、新たな事業にチャレンジしていきたい」と続ける。

市塲さん
市塲さん

西鉄が本格的に関西圏に進出するタイミングで帯同できたのは、自身にとって大きな転機であり、成長の機会になると感じています。このチャンスを活かすために、今まで培ったスキルを発揮して、関西事業所の発展を自身の成長につなげたいと思っています。いずれは、既に27棟を竣工して存在感を示している首都圏の不動産事業に追随していきたいですね。

高濱さん
高濱さん

私が関西事業所で実現したいのは「大阪ならでは」の仕事です。たとえば大阪は民泊特区で、市内全域が民泊事業を立ち上げやすい環境にあります。こうした地の利を活かした事業の創出が私の次なる目標です。既存のアセットにとらわれることなく、新たなステージへのチャレンジを続けたい。そのために日々勉強していくつもりです。

竹之下さん
竹之下さん

未来を見通す力をつけ、自分の理想とするビジョンを描くことが当面の目標です。そのために、目の前の業務にしっかりと向き合い、知識を蓄え、仕事を推し進めるスキルを身につけたいと考えています。目標に近づくための環境として、チャレンジングな関西事業所での日々は申し分ありません。いつか、西鉄のホームである福岡に戻って、九州全体を盛り上げられるような人財になりたいです。

まちと共に成長していく——。確かな口調で語られる3人の言葉には、フレッシュな感性と共に頼もしさが感じられた。若手がのびのびと活躍する関西事業所。今後もさらなる躍進が期待され、その動向から目が離せなくなりそうだ。

関西事業所オフィスのエントランスにて
  • 市塲 颯亮(いちばそうすけ)さん
    市塲 颯亮(いちばそうすけ)さん

    不動産事業本部 西日本事業部 関西事業担当
    2021年西日本鉄道株式会社入社。
    住宅事業本部マンション事業部商品企画担当を経て、
    2024年度より大阪の関西事業所へ赴任。
    分譲マンションの商品企画、販売管理を担当。

  • 髙濱 夏希(たかはま なつき)さん
    髙濱 夏希(たかはま なつき)さん

    不動産事業本部 西日本事業部 関西事業担当
    2023年西日本鉄道株式会社入社。
    初期配属から現在まで関西圏の用地取得を担当。
    2024年度より大阪の関西事業所へ赴任。

  • 竹之下 大貴(たけのした だいき)さん
    竹之下 大貴(たけのした だいき)さん

    不動産事業本部 西日本事業部 関西事業担当
    2024年西日本鉄道株式会社入社。
    初期配属から大阪の関西事業所へ赴任。
    分譲マンションの商品企画、販売管理を担当。

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