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西鉄の本社&働き方が進化!
福岡天神「ワンビル」の新オフィス
若手社員の1日を追う

西鉄の本社&働き方が進化! 福岡天神「ワンビル」の新オフィス 若手社員の1日を追う

2025年5月、西鉄の本社が天神に戻ってきた。旧「福岡ビル」の場所に立つ、地下4階建て、地上19階建ての「ワンビル」。その9・10階を新たな拠点とし、オフィスと働き方を刷新。ワンビルで仕事に励む若手社員2名の姿を追った。

目次

ワンビルの西鉄本社はこんな場所!

福岡の繁華街・天神の中心部に位置する天神交差点。4月24日(木)に開業したワンビルの9・10階に西鉄は本社を構えている。

ワンビル外観

エレベーターで6階まで上がり、ビジネスパーソンや地元の人々、観光客などさまざまな人が行き交う「スカイロビー」へ。

6階「スカイロビー」レセプション付近

そこから別のエレベーターに乗り換え、西鉄本社へと向かう。

10階のこちらはゲスト用のエントランス。ゆったりとしたソファ席やテーブル席が準備され、ミーティング前後の時間を過ごせるようになっている。

昔の天神のまちを再現した模型。お店の看板や通行人など、細部まで忠実に再現されている

また、ゲストと打ち合わせ・商談等を行う個室は全19室あり、利用人数に合わせて社員が予約して利用することができる。

応接会議室の一例。椅子の背もたれが高くゆったりと座れる!
社内外会議室の一例。モニターが贅沢な大きさ!

ゲスト用のエントランスとは反対側にあるこちらが、社員用のエントランス。社員は顔認証で出入りできるようになっている。中に入ってみると……

ひ、広い!新しくてかっこいい!

さて、今回取材したのは、広報・CS推進部広報課の樽見優さん(入社6年目)と、沿線開発事業本部ビル・SC事業部の元部太陽さん(入社3年目)。それぞれ、ワンビルの新オフィスではどんな働き方をしているのだろうか?

新オフィスにて。沿線開発事業本部ビル・SC事業部の元部さん(左)と広報・CS推進部広報課の樽見さん(右)

西鉄広報・CS推進部広報課 樽見さんの1日

樽見さんの1日は新聞チェックから始まる。全国紙や地域紙など、幅広い事業を展開する西鉄の関連記事をクリップして社長や役員を含む社員に共有するのも、広報課の大切な役割だ。

モニターを見ながら同僚と資料を確認中

移転前の広報課は固定席だったが新オフィスではフリーアドレスに。個人に支給されるノートパソコンや資料などは、各自ロッカーに収納。業務内容や気分に合わせて席を選ぶことができるようになった。

広報課は主に3つの担当があり、樽見さんが所属する報道担当は西鉄の事業を社外に発信するプレスリリースの作成、テレビ局や新聞社などのメディアからの取材対応が主な仕事内容だ。

オープンスペースで打ち合わせ

さまざまな部署の情報を持っておく必要があるため、他部署の情報収集も重要な仕事のひとつだ。新オフィスにはたくさんのオープンスペースが設けられているので、すれ違う際に声を掛けあったり、近くのテーブルについて少し話したりと、うまくコミュニケーションをとりながら業務を進めている。

フレックスタイム制を取り入れていることもあり自由な時間に昼食が取れるが、主には12時半から13時半までが昼休み。その後、午後は予約制の社内会議室でチームミーティング。作成したプレスリリースのチェックや、イベントに立ち会う人員の確認やタスクの整理を進める。

ホワイトボードを活用して進行中の案件を確認

ミーティングが終わったタイミングで、息抜きにリラックススペースへ。

緑の中にソファ席があり、静かな時間を過ごせる

1人用の卵型チェアは、気分転換やリフレッシュに特におすすめ。モチベーションや生産性アップのためにつくられた、贅沢な空間だ。

リラックススペースの一部

リフレッシュ後は気分が一新。集中力が再び上がり、デスクワークがかなりはかどった。

デスクワーク中の樽見さん

西鉄沿線開発事業本部ビル・SC事業部 元部さんの1日

沿線開発事業本部ビル・SC事業部では、西鉄電車の沿線地域のにぎわいづくりを目的に事業開発を進めている。なかでも「計画担当」の元部さんは、商業施設やビルなど自社物件の収支や予算の分析・管理を担っている。数字やデータと向き合う機会が多く、日々の業務では専門知識と集中力を求められる。

出社してしばらくは、共用スペースで執務にあたる。こちらの執務席ももちろんフリーアドレス制だ。

数字の分析など集中力が必要な作業の際は、窓側にある1人用のデスクへ移動。モニターが完備されている席や半個室のスペースも用意されている。

中期経営計画に必要な事業計画の分析・検証も、元部さんら計画担当が担っている。経理部との社内打ち合わせでは、セミクローズのミーティングスペースへ。

隣とは遮音性のあるカーテンで区切られているので、周囲を気にせず打ち合わせに集中できるのがこのスペースのメリット。モニターを使いながら資料の確認を進めていく。

座って作業するのに疲れたら、気分を変えて立って執務にあたることもある。「集中」と「コミュニケーション」。新オフィスに移転してからは、社内の多様なスペースを使い分けながら、メリハリをつけて働けるようになった。

働き方はどう変わった?

「ワンビル」のオフィスに移転して、働き方はどのように変化したのか。樽見さんと元部さんに率直な意見を聞いた。

働き方は以前と変わりましたか?

元部さん
元部さん

ひと言で表すと、働きやすくなりました。業務内容によって席を選べるので、作業効率がぐんと上がりました。

モニターを使用しながら作業する元部さん
元部さん
元部さん

分析作業の時は、窓側の1人用デスク席がお気に入り。数字を分析したり、データを読み解いたり、かなり集中できます。

樽見さん
樽見さん

私も、ワンビルに移ってきてから働きやすくなったと感じています。前オフィスの博多センタービルでは部署ごとにフロアが分かれていましたが、今は本社にある部署が2フロアに。連絡や確認のための移動がずいぶん楽になりましたし、何よりいろんな人とのコミュニケーションを取りやすくなりました。

9階の交流エリアは人の出入りが多く、たくさんの人と会えるのがおもしろいですよね。同期とすれ違ったついでに互いの仕事や部署について情報を交換する、なんてこともよくあります。

9階の交流エリア「X GARDEN(クロスガーデン)」
「X GARDEN(クロスガーデン)」にはカフェスペースも
元部さん
元部さん

私もです。ちょっとした相談がある時は、遠くから様子をうかがって話しかけに行く。他の部署とフロア続きになっているので、タイミングもはかりやすいんですよね。

別の部署の同期と話す元部さん
パソコンを開いて相談中

働き方が変わるのに不安はなかった?

樽見さん
樽見さん

私の場合、以前は固定席だったので、フリーアドレスにうまく移行できるか実は不安でした。資料や荷物もあるし、ロッカーにちゃんと収納できるのかな、とか。でも、いざ新オフィスに来てみると、意外と簡単にフィットできました(笑)。

元部さん
元部さん

私の部署は、以前もフリーアドレスだったので大きな不安はありませんでしたね。結果的にも働きやすくなったし、いいことばかりです。

偶発的な交流が生まれる場所

9階の「X GARDEN(クロスガーデン)」をはじめ、オフィスのデザインには偶発的な出会いを創出するポイントがいくつもある。

新オフィスのメリットや、生まれた「新たな交流」は?

樽見さん
樽見さん

バスや電車の交通情報発信など、スピードを求められる仕事では特に助かっています。自動車の部門も鉄道の部門も中央の階段ですぐにアクセスできるので、確認や情報公開をスムーズに進められると感じました。また、偶然すれ違って立ち話をしたのをきっかけに情報交換ができ、プレスリリースを発信することができた事例もあります。

元部さん
元部さん

コミュニケーションの取りやすさは、私も大いに実感しています。中期経営計画の資料作成のために各部署の担当者にヒアリングする際、以前はチャットや内線電話をかけることが多かったのですが、ワンビルに移ってからは直接会って話すことが増えました。そうすると、相手の顔を見ながらコミュニケーションが取れますし、やはり対面のほうが話しやすく、より詳細な情報が得られるんです。

自身にとってプラスになった点は?

元部さん
元部さん

ワンビルって新しくて、いろんなテナントがあるのでキラキラしてますよね。最近は、仕事が早く終わった時、地下2階にある「タリーズコーヒー」に立ち寄ってスキルアップのために自習をはじめました。業務時間外の自己啓発を推進する「キャリア開発手当」を活用しているので、自分のモチベーションを保ちながら、環境を変えて楽しく勉強できています。

地下2階「タリーズコーヒー」外観
樽見さん
樽見さん

とてもいい習慣ですね。私も「天神」というエリアにオフィスがある恩恵はたくさん感じています。西鉄が携わる駅や商業施設、ホテルが近くにあるのも大きなメリットですよね。取材対応や打ち合わせの移動も歩いて10分ほどで済むので、移動の時間も以前より減り、業務効率が上がりました。

「ワンビル」外観。西鉄本社のオフィスは9・10階。西鉄福岡(天神)駅やソラリアプラザ・ステージ、水上公園「SHIP'S GARDEN(シップスガーデン)」や天神中央公園内の「ハレノガーデン」、ソラリア西鉄ホテル福岡、西鉄グランドホテルなどが徒歩圏内

西鉄の未来を描いたオフィス移転計画

「X Terminal(クロスターミナル) –“ときめき”が交差するオフィス-」をコンセプトに、ハード・ソフトの両面から未来を見据えて完成した新オフィス。これまでにない大規模なオフィス移転計画を主導してきた総務部課長の樋口茉衣さんに詳しい話を聞いた。

西鉄本社が新オフィスに求めることは?

樋口さん
樋口さん

まず挙げるとすれば、西鉄グループ全体の連携と一体感です。組織や現場を超えてさまざまな個性が行き交い、組織内のシナジーを生み出せるオフィスにしたいと考えました。また、「創造交差点」というワンビルのコンセプトにもあるように、人や情報の偶発的な出会いが起こる場を作るのもねらいでした。
ABW(Activity Based Working※)の導入で、柔軟に働きながら一人ひとりが誇りを持ち、西鉄の未来を考えられる環境を目指しました。

※ABW…業務内容や目的に合わせて、働く場所を自由に選択できるワークスタイルです。

同僚と話しながら執務にあたる樋口さん
交流エリアでの執務も可能
樋口さん
樋口さん

会議室や打ち合わせスペースの選び方、ICTツールの変化、紙モノの整理。ハード面でもソフト面でも、ワークスタイルが大きく変化を遂げました。

特に大変だったことは?

樋口さん
樋口さん

最終段階で内部階段を設置する計画に変更したことです。当初、内部階段の設置予定は無かったのですが、私たちが求めるオフィスの役割を考慮すると、絶対に必要だと思ったんです。ただ、設置に要する費用も小さくなくて。そこで、内部階段を設置されている複数の会社にヒアリングしてその効果をお伺いしたり、考え得るレイアウトプランを出してコンセプトの実現性の観点で比較したりして、経営陣に提案する資料をまとめました。結果、前向きに受け止めてもらえて設置できることになったんです。計画変更によるその後の調整は大変でしたが、フロア間でコミュニケーションが分断されることなく、オフィス内を水平移動するのと同じ感覚でフロア間を行き来することができて、コミュニケーション促進のキーポイントになっていると感じます。

フロアをつなぐ内部階段。1フロアの面積は約4,600平方メートル。西鉄によると貸しオフィスとしては西日本最大級の広さ
内部階段から見た9階の様子
樋口さん
樋口さん

また、この階段のまわりを「X GARDEN(クロスガーデン)」と名付け、グループ会社の従業員も含めた交流エリアとしています。カフェコーナーもあり、リフレッシュにも最適なスペースとなりました。

カフェコーナーを利用する樋口さん
交流エリアの一部

移転後、これからの取り組みは?

樋口さん
樋口さん

これまでも長い道のりではありましたが、移転完了後が私たちにとって本当のスタートです。ありがたいことに良い評判もたくさん耳にしましたが、実際に使い始めるといろんな調整も必要になると感じています。

これまでの環境からガラリと変わったので、不便を感じている人や疑問を持っている人もきっといると思います。それでもなぜ今、この働き方・オフィスが必要なのか。西鉄がめざす未来について伝え続けるのが、私たちの役割だと考えています。

様々な人が集まり互いに夢や想いを語り合うことで、新たな価値を生み出し、西鉄の事業をさらに発展へと導いていく——。その出発点に立ったばかりなので、これからも皆さんの意見をうかがいながら西鉄らしい働き方を模索していくことになるでしょう。

福岡・天神の中心に立つ「ワンビル」に本社を移し、さらなる飛躍をめざすにしてつグループ。この新しい働き方から生まれる新しいアイデアや事業が楽しみでならない!

  • 樽見 優 さん
    樽見 優 さん

    西日本鉄道株式会社
    広報・CS推進部 広報課

    2020年西日本鉄道株式会社入社。
    西鉄バス北九州(株)への出向を経て、
    2024年度より広報課にて報道対応等を担当。


  • 元部 太陽 さん
    元部 太陽 さん

    西日本鉄道株式会社
    沿線開発事業本部 ビル・SC事業部 計画担当

    2023年西日本鉄道株式会社入社。
    都市開発事業本部(現 沿線開発事業本部)ビル運営担当を経て、
    2年目より計画担当としてオフィスビルの収支を担当。

  • 樋口 茉衣 さん
    樋口 茉衣 さん

    西日本鉄道株式会社
    総務部 働き方改革推進担当 課長

    2009年西日本鉄道株式会社入社。
    自動車事業本部、経営企画部を経て
    2022年より本社事務所移転業務を担当。


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