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西鉄自動車整備専門学校(NAS)は
自動車業界就職率100%?!
他校にない強みに迫る

西鉄自動車整備専門学校(NAS)は 自動車業界就職率100%?! 他校にない強みに迫る

「西鉄自動車整備専門学校(NAS)」は、西鉄グループの学校法人西鉄学園が運営する専門学校のひとつ。西鉄自動車学校に隣接し、学科内には留学生専門のコースが設けられるなど、数々のユニークなポイントがある。

いったいどんな学校なのか。授業や実習の様子の取材を通して、「自動車業界就職率100%」という驚異の数字に迫った!

目次

「西鉄自動車整備専門学校(NAS)」とは?

福岡県大野城市にある「西鉄自動車整備専門学校(NAS)」は、西鉄グループの学校法人西鉄学園が運営する自動車整備士養成のための専門学校だ。

たまたま学校の前を通ったときに、なんとこんなポスターが!

「NAS CAR FES」。
かっこいい&特殊な車がたくさん展示され、整備士体験もできるようだ。
文化祭みたいな雰囲気なのだろう。
専門学校に入る機会なんてめったにないし、なんだかおもしろそう!

ホームページを開いてみると、公式サイトには「業界就職率100%」の文字が。そのうえ、「留学生自動車整備士コース」まで設けられているという。

西鉄自動車整備専門学校とは、いったいどんな学校なのか。

「西鉄自動車整備専門学校(NAS)」のコースとカリキュラム

西鉄自動車整備専門学校(NAS)には、主に2つのコースがある。ひとつは2年制・定員35名の「自動車整備科」。エンジンやブレーキなど基礎構造の理解から、電気自動車など最新の整備技術までを体系的に学ぶ。国家試験に向けたサポート体制も万全で、在学中からディーラーなどでインターンを経験できるのがポイントだ。

実習の様子

もう一方の「留学生自動車整備士コース」は、3年制・定員35名の外国人留学生を対象としたコースだ。1年次は日本語の勉強が中心だが、自動車整備士の資格取得に向けたSPI試験対策などを進めるため、中程度の日本語能力が必須となっている。2年次からは、整備の技術をじっくりと身に付けていく。

実習の様子

広報課の木森智さんと教務・就職課の村井悠紀さんに、西鉄自動車整備専門学校ならではの学びの特色について詳しく教えてもらった。

木森さん(左)と村井先生(右)

カリキュラムの特色は?

村井先生
村井先生

いずれのコースも、授業の1限目は9時30分から。授業は50分ずつが基本で、午後最後の7限目は16時10分に終わります。メリハリをつけて学べるように、午前は座学、午後は実習といったように時間割が組まれています。

学生たちは通常、最終学年の前年度中に就職活動を実施する。「自動車整備科」は1年次、「留学生自動車整備士コース」は2年次の秋から就職活動をはじめ、年度末の3月には内定が出ている状態となる。

ただ、自動車整備士になるためには、3月に実施される国家試験の合格が必須。そのため、最終学年の11月からは国家試験対策の授業に切り替わり、過去問をベースに復習や学び直しを進めていく。そして、卒業年の3月に実施される国家試験に合格した後、晴れて就職となるのだ。

木森さん
木森さん

意地でも合格しないと就職できなくなってしまうので、学生たちが学びのモチベーションを保てるよう環境を整え、一人ひとりに目を配っています。

驚異の「業界就職率100%」! その理由は?

座学と実習をバランスよく交えたメリハリのある授業に、国家試験に向けた万全の試験対策。しかし、「業界就職率100%」を達成するには、きっと特別なヒミツがあるに違いない。西鉄自動車整備専門学校ならではの特色について聞いてみた。

他校にない強みはありますか?

村井先生
村井先生

授業に目を向けると、実習車が現役の車やバスであることはかなり大きいと思います。使用する車両は隣接する「西鉄自動車学校」の現場で使われているので、学生たちは実際の不具合を診断・修理する力を養うことができます。

実習場と西鉄自動車学校が隣接。バスやトラックも実習で使用される

実車を使うかどうかで、そこまで差があるのでしょうか?

村井先生
村井先生

まったく違います。通常、専門学校に置くような車両は走行距離が少なく、人や貨物を運ぶことはありません。一方、西鉄自動車学校の車両は日々敷地内外を走って活躍しています。実社会の車両と変わらない状態なので、よりリアルな整備技術が求められるんです。

なるほど。実習で責任感まで学べるというわけですね。

村井先生
村井先生

実は、実車を使うメリットはもうひとつあります。それは、常に「お客さまがいる」ということです。現役の車両を預かるということは、整備の依頼を受けるということ。つまり、整備の技術やサービスによってお客さまに納得していただく必要があるんです。

「これが他校との大きな違いだ」と、学校に遊びに来る卒業生たちが口々に話すんですよ。相手を思うサービスができるかどうか。プロとしての意識が早い段階で養われるのも本校の魅力だと思います。

それはかなり大きいですね。そのほか、強みはありますか?

木森さん
木森さん

留学生のコースがあるのも珍しいのではないでしょうか。授業で一緒になってグループワークを進める機会が数多く設けられているので、技術を学び合うだけではなく、互いの国の文化や考え方の違いも知ることができます。国内の自動車業界では、技能実習生など多くの外国人スタッフが活躍しているので、さまざまな国籍のメンバーとの交流は必要不可欠な時代になっています。

コース・学年によって制服の色が異なる
木森さん
木森さん

実習を通して、コミュニケーションの取り方や相互理解など、社会に出てから必要な経験をいち早く積むことができます。

村井先生
村井先生

定員が35名なので、授業が比較的少人数なのもポイントです。実習ではグループに分かれて作業することが多いのですが、人数が少ないとそれだけ手を動かすチャンスが多くなります。一人ひとりに役割が与えられるので実習中に手が空くことはなく、作業を繰り返すことで自然と体に身に付きます。

どんな資格を取得できますか?

村井先生
村井先生

整備士になるために必須の「二級自動車整備士」をはじめ、中古自動車査定士(小型)、ガス溶接やアーク溶接に必要な技能講習、粉じん作業の技能講習も実施しています。また、近年はハイブリッド車や電気自動車が増えているので、電気自動車等の整備業務に係る講習もぜひ受けるようおすすめしています。

日本人と留学生がともに学び、現役の車両を使った少人数制の実習。その結果が「自動車業界就職率100%」という驚異の数字につながっている。

自動車整備課の過去3年の就職実績。誰もが知る大手メーカーや地元のカーディーラーがずらりと並ぶ

なぜこれほどの実績を残すことができるのか?

木森さん
木森さん

就職活動に関しては、書類や面接など試験に必要なあらゆることについて、丁寧に指導したりアドバイスをしたりしています。企業の採用担当者と密にコミュニケーションを取り、どんな人材が今の業界に求められているのか、常に情報を得られるよう意識しています。

また、本校は60年以上の歴史があるので、卒業生たちの就職活動や内定先のデータが詳細に残っています。だからこそ、入社試験の内容や試験会場の雰囲気など、細かいところまで想定した対策ができるんです。

60年の歴史が大きな財産になっているんですね。

木森さん
木森さん

そのとおりです。しかし、企業から内定をもらったとしても国家試験に合格できないと水の泡。内定から国家試験までの約1年間、学びのモチベーションを維持できるよう1人ひとりにしっかり向き合うよう心掛けています。

就職後、一社会人として即戦力になれるよう、車の知識や技術を磨くのはもちろんのこと、社会人としてのマナーやチームで取り組む姿勢を教えるのも私たちの役割だと考えています。学校生活でもっとも大切にしているのは「報告・連絡・相談」。学校も仕事も同じですね!

「西鉄自動車整備専門学校(NAS)」在校生の声

現役の車両を使った実習や留学生コースなど、他校にない特色が際立つ西鉄自動車整備専門学校。学生の視点ではどんな点が魅力なのか。「自動車整備科」2年生の宮本翔さんと「留学生自動車整備士コース」2年生のTAMANG ASMITA(タマン アスミタ)さんに話を聞いた。

宮本さん(左)とアスミタさん(右)

入学したきっかけは?

宮本さん
宮本さん

兄がこの学校を卒業していて、授業や実習の話を聞いたのがきっかけです。工業高校出身で、父が実家で車の整備工場を営んでいるので、車に触れる機会は小さい頃からたくさんありました。父や兄の姿を見て、将来は私も整備士の道に進みたいと思い、入学を決めました。実習に現役の車両が使われている点や充実した設備環境が、志望する決め手になりましたね。

アスミタさん
アスミタさん

故郷のネパールでは、兄が車の整備工の仕事に就いています。また、父もサウジアラビアで車の整備の仕事をしていて、幼いころから車に触れる環境があり、興味を持ちました。21歳で日本に来て、最初は北九州の日本語学校で日本語を勉強しました。その後、ネパール出身の先輩たちに「先生がやさしい」「実技がしっかりと学べる」と本校の評判を聞き、入学を志望しました。

授業や実習はいかがですか?

宮本さん
宮本さん

座学で学ぶ内容は、けっこう難易度が高いと思います。また、実習は手を動かす時間が多く、少人数でじっくり学べる環境です。先生方のほとんどは本校の卒業生で、在学中の経験を踏まえてわかりやすく授業を進めてくださいます。話しやすい雰囲気なので、わからないことがあれば気兼ねなく質問できます。

アスミタさん
アスミタさん

留学生のコースでは、1年次は語学やSPI対策など座学の授業がメインです。2年次以降はいよいよ実習がはじまります。車が好きなので、実習を心から楽しみにしていました。実習では、まずは車の仕組みを理解することからスタートし、3年次にはバスやトラックなども扱いながら実務的な内容につなげます。

専門用語は難しくないですか?

アスミタさん
アスミタさん

漢字やカタカナ、専門用語はとくに難しいのですが、1年次にしっかりと語学面の基礎を固めることができる環境です。また、先生方はわかりやすい言葉で説明してくださるので、スムーズに理解できることが多いですね。わからない時はすぐに手を挙げて質問したり、まわりの学生に聞いたりしています。

「留学生自動車整備士コース」1年次の授業の様子
宮本さん
宮本さん

実習では手を動かす機会が多いので、実践力が身に付きました。また、現役の車両を使うことで、実際に使われる車両の状態が予測できるようになり、必要な整備や起こりうるトラブルを想定できるようになったのも大きな成長です。授業のなかでも電気自動車関連や内装関連の知識と技術は、実家の仕事を手伝う時にもかなり役立っています。

アスミタさん
アスミタさん

自動車に関する全般的な知識や技術はもちろん、とくに電気自動車に関する分野の学びがたくさん得られました。母国のネパールでは、今はほとんどがマニュアル車ですが、10年後にはオートマ車の割合がかなり増えると予想されています。将来役立つ知識と技術をいち早く習得できるメリットは大きいと感じています。

また、知識や技術の習得だけではなく、学生間の交流や催事の運営も学生たちにとっては大切な経験となっている。

学校行事で思い出は?

宮本さん
宮本さん

毎年秋に開催されている「NAS CAR FES」もおもしろかったですね。

どんな催しか詳細を教えてください。

宮本さん
宮本さん

乗用車やトラック、バイク、働く車などが敷地内に展示され、乗車体験や整備士体験ができる、地域向けの祭典です。キッチンカーなども出店し、車好きはもちろん家族で楽しめます。私たち学生も会場運営に携わる、学校総力をあげたイベントなんです。毎年約1,000人以上が来場します。

学生のみなさんはどんなことをするんですか?

宮本さん
宮本さん

当日は、誘導や企業ブース担当など、学生みんなが役割を分担して動いています。私は誘導係でした。来場者の楽しそうな表情や姿を見ることができて良かったですね。アスミタさんは?

アスミタさん 
アスミタさん 

私は整備士体験コーナーの担当でした。車に興味を持つ子どもたちがたくさん遊びに来てくれたのを覚えています。整備士や車について子どもたちから質問を受けることもたくさんあり、地域の方々と交流できたのが良い思い出です。

NAS CAR FESの様子

日本人と留学生が一緒に学ぶメリットは?

アスミタさん
アスミタさん

実習では日本人の学生とグループワークをする機会もあり、コミュニケーションを取りながら作業を進めています。わからないことはすぐに質問できるし、みなさん親しみやすく楽しい雰囲気ですよ。

宮本さん
宮本さん

日本人の学生も、留学生と一緒に学ぶことでコミュニケーション力が身につきます。専門用語など難しい言葉を使うこともあるので、時には身ぶりや手ぶりを交えながら「何とか伝わった!」なんてこともありますね。就職後、外国から来た技能実習生と働く機会があった際はすぐに馴染めると思います。

将来の夢や進路について教えてください。

宮本さん
宮本さん

卒業後は1年次で内定をいただいた会社に就職する予定です。幅広い車両を扱える職場なので、さらに知識と経験を積み重ねたいと思います。

就活では、先輩方が遺してくださった企業情報があったので助かりました。業界についてわからないことがあれば先生が相談に乗ってくださるので、自分に合った進路を選択できたと感じています。

アスミタさん
アスミタさん

私の夢は、日本で自動車整備士として働くことです。日本で最新の技術を身に付けておけば、将来母国に帰って働くときに役立つと考えています。さらに先になりますが、いずれは父と兄といっしょに会社を立ち上げて、ネパールで車の仕事ができたらいいなと思っています。

「西鉄自動車整備専門学校(NAS)」はすごかった!

自動車の電動化・自動運転化が進む今、整備士には高度な技術と安全を守る責任感がいっそう求められている。西鉄自動車整備専門学校では、そんな未来の整備士を育てるために、最新設備と実車を使った「超実践授業」が繰り広げられていることが在学生のインタビューからもよくわかった。

技術とサービスで社会を支えるプロフェッショナルを育てる場所。

その背景には、西鉄グループに宿る「安全・安心への責任」がある。ここで培われる整備の力は、バスや鉄道、物流などさまざまな事業における「信頼」にもつながっていると感じられた。

木森さん
木森さん

この業界は、「好き」を仕事にできます。国家資格も取得でき、手に職がつくのでAIに代替されにくい仕事だと言われています。「とにかく車好きを増やしたい!」。そんな想いで日々授業をしています。自動車整備士の仕事に興味がある人は、ぜひ西鉄自動車整備専門学校へ。

また、学生たちが盛り上げる年に一度の車の祭典「NAS CAR FES」にも、ぜひ気軽にお越しください!

  • 木森 智  さん
    木森 智 さん

    学校法人 西鉄学園
    西鉄自動車整備専門学校
    広報課 係長

  • 村井 悠紀  さん
    村井 悠紀 さん

    学校法人 西鉄学園
    西鉄自動車整備専門学校
    教務・就職課 教員

  • 宮本 翔  さん
    宮本 翔 さん

    西鉄自動車整備専門学校
    自動車整備科 2年

  • TAMANG ASMITA(タマン アスミタ) さん
    TAMANG ASMITA(タマン アスミタ) さん

    西鉄自動車整備専門学校
    留学生自動車整備士コース 2年

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