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福岡・天神の「ONE FUKUOKA BLDG.(ワンフクオカビルディング、以下ワンビル)」で、福岡県宗像市との大型コラボレーション「宗像のごちそうフェア」が実現した。ワンビルの飲食・食物販店など計16店舗がフェアに参加。さらに期間中は土日・祝日限定でワンビル内に「出張・道の駅むなかた」がオープンする。
「ONE FUKUOKA HOTEL(以下、ワンフクオカホテル)」では地域への熱い想いから生まれた特別メニューを、期間限定で提供している。本企画の実現に向けては、産地見学ツアーを実施し、シェフたちが食材の産地を訪ね、生産者の想いやこだわりに直接耳を傾けた。地域とワンビルそれぞれが持つ魅力を掛け合わせることで生まれる、新たな価値とは。取り組みの背景や意義について話を聞いた。

2026年10月1日(木)から開催の「ワンビルまるごと宗像ごちそうフェア」。ワンビルが掲げる「創造交差点」のコンセプトのもと、福岡・天神と地域をつなぐ新たな取り組みだ。ワンビル内の飲食・食物販店舗では、宗像産の食材を使用した特別メニューを提供するほか、土日・祝日限定で「出張・道の駅むなかた」がオープン。宗像の食の恵みを、福岡・天神の中心部で体験できる。
ワンビルの最上層、ワンフクオカホテルにあるオールデイダイニング「THE KITCHEN」と鉄板焼きレストラン「WAN STEAK HOUSE」でも、宗像市とのコラボメニューを提供。宗像の自然と人が育んだ食材が、シェフたちの手によってさらに輝きを増し、訪れる人を楽しませている。

今回は、産地見学ツアーにも参加したワンフクオカホテルのシェフたちに宗像の食材や企画の魅力を語ってもらった。
ワンビルが初めて自治体とのコラボレーションに取り組んだのは、ワンビル5階の「天神福食堂」で、2025年に行われた福岡市との企画だった。福岡市でとれた水産物を使ったコラボメニューを期間限定で提供。さらに、2026年2月には福岡県太宰府市の象徴である「梅」にちなんだメニュー開発・提供とスタンプラリーを実施。来店した人に、現地へ訪問するきっかけを提供してきた。

こうした取り組みをさらに深化させる形で、2026年10月1日(木)から11月1日(日)までの約1カ月間、福岡県宗像市との大型コラボレーション「ワンビルまるごと宗像のごちそうフェア」の開催が決定した。
今回のワンフクオカホテルとのコラボレーションでは、メインダイニング「THE KITCHEN」と鉄板焼きスタイルの「WAN STEAK HOUSE」にて、宗像市の食材を生かした料理3品が期間限定で登場する。



福岡・天神の中心部にあるワンビルで宗像市の「食・人・魅力」を発信するこの企画では、宗像市とワンビル双方にとって相乗効果が期待できる。
宗像市にとっては、福岡都心部でのPRによる認知度向上や生産者の販路拡大、現地への訪問・誘客に。一方、「にしてつグループ第17次中期経営計画」で自治体との連携による、地域の取組みや活動支援・魅力発信サポートを重点施策のひとつに掲げている西鉄グループにとっては、西鉄沿線やその他の地域の魅力を発見し、天神の中心部で発信することで地域活性化に貢献するための貴重な機会となる。
このコラボ企画に先立ち、ワンフクオカホテルでメニュー開発や調理を担うシェフたちが宗像市を訪れ、産地見学ツアーを実施した。参加したのは、ワンフクオカホテルで料理長を務める中野さん、「THE KITCHEN」シェフの馬場さん、「WAN STEAK HOUSE」のシェフで宗像市出身の山田拓弥さん、デザートのメニュー開発・調理を担う山田沙緒里さんの4名。
「道の駅むなかた」をはじめ、養殖ウニの生産現場、宗像大島の塩づくりの拠点、「甘夏みかん」農園、「むなかた牛」を育てるすすき牧場など、宗像の食を支える生産者のもとを1日かけて巡った。

道の駅むなかたは、玄界灘の鮮魚や地元農産物などの看板商品をそろえる、全国指折りの人気を誇る道の駅のひとつだ。年間来場者数は約170万人。年間売上げは約20億円(2023年度)。福岡県内外から多くの観光客が訪れ、開店する朝9時には平日でも行列ができるほどの盛況ぶりだ。

朝どれの魚介類や野菜、果物、調味料、加工品などがずらりと並ぶ店内。視察に訪れた4名は特に、とれたての真鯛や地ダコなど、宗像ならではの新鮮な食材に注目を集めていた。
一方、ツアーでは環境課題から生まれたユニークな取り組みが進む現場も訪れた。玄界灘ではウニによる食害で海藻が著しく減少し、数十年前から磯焼けが深刻化。その原因であるウニは身が少なく、売り物にならないためさらに増加し、磯焼けが進行する負のスパイラルに陥っていた。
こうした状況を打開しようとはじまったのが、産学官が連携した「宗像ウニプロジェクト」だ。空ウニを駆除して陸上養殖することで、ウニに身をつけ、食用のブランドウニとして市場に売り出す。その販売利益でウニの捕獲費用を捻出することを目指す、循環型のプロジェクト。視察チームは、陸上養殖の現場である「株式会社高田工業所」を訪れた。


その後、視察チームは渡船場から船に乗り、宗像市・大島へ。まず訪れたのは、世界遺産の島・大島で市町村合併前の最後の村長を務め、「塩じぃ」の愛称で親しまれる河辺さん。天日干しと平窯で、機械を使わず手づくりされている天然塩の生産者だ。河辺さん一人で手作りしているため生産量は限られており、希少な食材となっている。


また、大島で甘夏農園を営む山口さんを訪問。柑橘の強い香りとさわやかな酸味が特徴の「甘夏みかん」は地元の特産品として知られているが、農家の担い手不足で「甘夏みかん」農家が年々減少。地域課題のひとつとなっている。


再び宗像市中心部に戻った後は、ブランド牛「むなかた牛」の視察のために「神内ファーム二十一」が営む「すすき牧場」へ。代表の薄(すすき)さんから自給飼料の使用の早期導入など安心安全でおいしい牛肉を届けるための取り組みについて伺った。


産地見学ツアーに参加した「THE KITCHEN」のシェフ馬場さんと「WAN STEAK HOUSE」のシェフ山田さん。コラボ企画の提供メニュー決定後に、あらためてツアーを終えた感想を聞いた。

現地に赴いて初めて知ったこと、発見はありましたか。

私は宗像出身なのですが、実は大島に行くのは初めてでした。慣れ親しんだ土地にも、今まで自分が知らなかった魅力があったことに驚きました。また、ウニが好んで食べる餌に海藻の好みがあることや、身をしっかり詰まらせるための工夫を知ることができ、磯焼けの課題について考え直すきっかけになりました。


「道の駅むなかた」では、魚を一匹一匹すべて神経締めしている丁寧な仕事にも驚きました。あれだけの量を手作業でこなすのは、相当な手間のはずです。少しでもおいしく、鮮度よく食べてもらいたいという生産者さんの気持ちが伝わってきました。


一方で、一番印象に残っているのは、農家の高齢化や担い手不足の課題があるということです。これまで守り続けてきた地域の特産品をいかにして残していくのか、不安を感じていらっしゃる方が多いことを、農家さんたちのお話から実感しました。それでもおいしい食材をつくり続けてくださっているので、なんとか頑張って続けてほしい思いもあり、複雑な気持ちになりました。
特に興味を持った食材は?

サウナのような熱気のこもった部屋の中で、じっくりと時間をかけてつくられる塩じぃの塩ですね。その結晶がこれほどきれいにピラミッド型になった様子を見たのは初めてで、目を奪われました。今回は特別に、少しだけ塩を分けていただくことができました。コラボメニューの提供期間中は、「THE KITCHEN」で塩じぃの塩を使った料理を提供しますので、ぜひ味わいに来てください。



面白いと思ったのは、個性豊かな野菜や果物が集まる「道の駅むなかた」で見つけた「フェアリーテイル」という小さなナスです。普通のナスの8分の1の大きさほどしかないのですが、形状は普段親しんでいるナスそのもの。「WAN STEAK HOUSE」では、鉄板焼きにする前にお客さまの前で食材をプレゼンテーションするので、見た目も食材選びの重要なポイントなんです。生でも食べられて、みずみずしさとしっかりした甘み、食感も楽しめる。何かの料理に活用できないかと考えています。


また、「WAN STEAK HOUSE」でランチコースの一品として提供する「むなかた牛の 蘭王ソース」も、今回のツアーで目にした食材のひとつです。むなかた牛の特徴である赤身のおいしさを生かすため、内モモ肉を厚切りにして使用しました。脂身は少なくきめ細やかな肉質で、あっさりとした食感が楽しめます。
産地見学を振りかえって、あらためて感じたことを教えてください。

生産者さんの想いや土地の背景を知っているかどうかで、食材への理解や向き合い方はまったく変わります。お客さまにそのストーリーをお伝えできれば、食材そのものだけでなく、その体験自体がお客さまにとっての価値になると実感しました。こうした機会を通して、「地産地消」という言葉の解像度を少しずつ上げていきたいですね。


お客さまの目の前に食材を並べて選んでいただき、その場で調理している「WAN STEAK HOUSE」。食材の見た目や鮮度が特に重要なスタイルなので、今回宗像で見た目も立派でおいしい食材に出会えたことが、大きな発見になりました。そんな素晴らしい食材が宗像にあるのだとたくさんの方に知っていただき、産地にとっての価値につながればうれしく思います。

今後も機会があれば産地見学ツアーに参加したいと話す、馬場さんと山田さん。食材とお客さまをつなぐ存在として、地域との連携を続ける意義を深く実感している様子だった。
ワンビルではこれまでも自治体と連携し、生産者のもとへ足を運びメニュー開発につなげる取り組みを重ねてきた。地域連携に関する取り組みへの想いを、今回のコラボレーション企画の運営に携わる、沿線プロパティマネジメント本部の篠原さんに聞いた。
ワンビルが地域と連携して企画を続ける意義とは?

ワンビルは「創造交差点」をコンセプトに、モノ、情報、文化、そして多様なビジネスやアイデアが交差し、これまでにない新しい価値やカルチャーを偶発的に生み出すことを目指しています。こうした地域との取り組みは、「創造交差点」というコンセプトをまさに体現するものだと考えています。
ワンビルらしい、西鉄らしい地域連携とは?

オフィスや商業、ホテルなどさまざまな機能を備えているワンビル。1つのテーマをもとに各機能に応じた連携施策ができるのが最大の強みです。かつ、今回のような地域との連携では、西鉄電車やバスで実際にその地域を訪れていただくことができるので、「ワンビルで魅力を知ってもらい、その地域を訪れる」というストーリーを創ることができます。
こうした企画は、地域のどんな課題に貢献できるか?

一次産業の活性化や観光誘致、移住促進など地域の課題はさまざまです。宗像市を例に挙げれば、農家の人手や後継者不足、磯焼けによる自然環境の変化といった課題に向き合いながら、農業や水産業の活性化をミッションとして掲げています。一方で、観光資源に目を向ければ、全国的にも有名な「道の駅むなかた」を起点に、エリア全体の魅力を発信して回遊性のある滞在型観光につなげたいところです。人が集まる天神やワンビルで今回のようなイベントを実施することで、地域の現状や魅力のPRや周知につながり、地域の課題解決に少しでも貢献できればと考えています。
「THE KITCHEN」や「WAN STEAK HOUSE」で提供している地産地消の料理は、福岡を訪れるインバウンド客にも評判だという。アジアの玄関口でもある福岡の中心部から「食」の魅力を発信していければ、福岡や九州という枠を超えて、日本の名物として認知が広がっていくことも期待できる。
福岡の中心部に位置するワンビルで地域の美食を味わい、地域の魅力を発見する。その地域まで、西鉄電車やバスを利用して足を運んでみる——。ぜひ新しい発見や出会いを体験してみてください。
■「宗像のごちそうフェア」
期間:2026年10月1日(木)~11月1日(日)
場所:ONE FUKUOKA BLDG.各ショップ&レストラン
参加店舗:計16店舗

※詳細はホームページをご確認ください。
https://onefukuoka-building.jp/event/91

福岡市内のホテルレストランで料理人としてのキャリアをスタート。20代で自身の店を開業するなど、フレンチを中心に研鑽を重ねる。ワンフクオカホテル開業時から「THE KITCHEN」を支え続け、豊富な経験と確かな技術で厨房をまとめる存在。

ワンフクオカホテルの系列ホテルである「WITH THE STYLE FUKUOKA」や「THE LUIGANS Spa & Resort」で、レストランや鉄板焼きの調理を経験。豊富な現場経験を生かし、「WAN STEAK HOUSE」の開業時から店舗を支えてきた。若手ながら確かな技術と存在感を持つ、鉄板焼きシェフ。

西日本鉄道株式会社
沿線プロパティマネジメント本部
ONE FUKUOKA BLDG.部
2013年入社。都市開発事業本部、2021年より広報・CS推進部にて社外広報、社内広報を担当。2026年4月よりONE FUKUOKA BLDG.部にて、主に飲食フロアの催事の企画運営やテナント各店の対応窓口を担当。
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