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西鉄・国際物流事業本部の
ここがすごい!世界をつなぐ、
コミュニケーション力

西鉄・国際物流事業本部の ここがすごい!世界をつなぐ、 コミュニケーション力

西日本鉄道の「国際物流事業本部」は、世界中に拠点を展開。「NNR GLOBAL LOGISTICS」のブランド名で知られ、世界各地で物流に関する幅広いサービスを提供している。29カ国・地域、121都市*という海外ネットワーク(*2023年2月現在)、そして日本。

母国語も文化も異なる人々同士のはずだけど……どうやって仕事を進めていくのだろう?どうお互いを知るの? 直接会うことはあるの? 国際物流事業本部の皆さんに聞いてみた!

目次

各国からリーダーが集結する世界会議

アジアはもちろん、ヨーロッパ、中東、北南米、オセアニアなど、世界各国に拠点を構える国際物流事業本部(以下NNR)。年に一度、そのリーダーたちが集まる定例会議、通称「世界会議」はグループの結束を確認する行事として大切に運営されてきた。

開催場所はNNRが拠点を構える東京や、西鉄が本社を置く福岡が多いが、過去には、海外からの参加者に日本をもっと知ってもらおうと、伝統が残る京都、温泉街の熱海で行われたこともある。

2019年 東京 開催時の様子
英語・日本語で同時通訳が入る

参加経験のある社員に聞いてみた!

  • 中山 聡司 さん
    中山 聡司 さん

    国際物流事業本部 営業企画部 部長
    1988年入社。これまでイギリス、香港、中国で海外勤務を経験。中国南部・広東省にて2004年設立の西鉄広州社では初代社長となる。日本への帰国後、2015年からは営業企画部で世界会議の運営責任者となる。

中山さんは現地法人の代表者として世界会議で発表されたことがあるとお聞きしました。

中山さん
中山さん

世界会議で現地法人の社長は前年度の取り組みの結果と今年度の予算と取り組みを約20分で発表します。私は2000年から毎回参加していますが2005年からの5年間は西鉄広州社の社長の立場で発表しました。

若くして現地法人代表としての発表。大きな会議でとても緊張したのではないですか。

中山さん
中山さん

汗だくで発表後、役員からやさしく励ましの言葉をいただいて本当に恐縮しながらも、うれしかったことを覚えています。

日本へのご帰国後は運営側としても長く世界会議を引っ張っていらっしゃるということですが、とくに力を注いでいるポイントはありますか?

中山さん
中山さん

会議の運営にはいろんな方の立場を考えながら、スタッフとともに細心の注意で取り組んでいます。
例えば、各社の社長に自ら経営する会社への思いをわかりやすく、また気持ちよくお話してもらえるように、資料の様式を統一したり、時間配分をきちんと確保したりと、会議が滞りなく進むように、数カ月前から準備を進めています。
会議が無事に終わった後の「お疲れ様、また来年」という言葉で癒されますね。

――会議に参加したことのある課長の松永勇三さんも話を聞かせてくれた。

  • 松永 勇三 さん
    松永 勇三 さん

    国際物流事業本部 営業企画部
    営業企画担当 課長
    1993年入社。長年、営業所に勤務し、2022年4月から営業企画担当課長。2011年~2017年には、タイ・バンコクでの駐在員経験もある。

松永さんはいつの世界会議に参加されたのでしょう?

松永さん
松永さん

タイに駐在員として赴任していた時の2015年、2016年と、国内の営業所の営業所長をしていた2017年、2018年に参加しました。

実際の会場はどんな様子でしたか?

松永さん
松永さん

いろいろな内容のセッションがありますが、全体会議はプロの同時通訳者が入り、日本語発表のときは英語へ、英語での発表のときは日本語へ、イヤホンのスイッチで切り替えることができます。

何かイベントなどはあるのでしょうか?

松永さん
松永さん

ある年の世界会議では表彰式を行い、グループ内で貢献が大きかった部署やグローバルの横断プロジェクトチームを讃えました。リーダーが集まる機会を通じてNNRグループがさらに強固に結び付くプログラムになっています。

2019年度 世界会議における表彰式の様子
写真は内勤オペレーションに斬新なアイデアを導入したNNR USA社。

コロナ禍でオンライン開催

コロナ禍で世界の国々は人の往来を制限し、とくに日本は出入国の再開に慎重で、グローバルな会議を行うこと自体が難しい状況だった。2020年は集合形式での開催を予定していたものの中止。2021年、2022年はオンライン形式での開催となった。

  • 新山 由布子 さん
    新山 由布子 さん

    国際物流事業本部 営業企画部
    営業企画担当
    2010年入社。これまで航空貨物の輸出通関業務や営業部でCS業務等を担当。勤務地は大阪、名古屋を経て、今年度、営業企画部への異動で東京に。現在は世界の各拠点からの情報収集、各プロジェクトのサポート、物流業界紙への対応など広報業務も担当する。

2022年度はオンライン会議の運営側として参加されたと聞きました。どんな様子でしたか?

新山さん
新山さん

オンラインのミーティングスペースには100名ほどが入室していて驚きました。時差を考慮した2部構成で、日本時間の朝はアメリカやメキシコが、夕方から夜にかけてはヨーロッパが参加できるようにしていました。東京の本部会議室、日本の中でもたくさんのオフィスをつなぎ、まさに国境を跨いでのプレゼンテーションが行われました。時差があまりないアジア圏では終日参加されている方もいました。

ペラペラじゃないとダメ?! 私の大切にしていること

NNRはなぜ、このようなコミュニケーションを重視するのか。
一言で国際物流事業といっても多岐にわたる業務がある。セールス、航空・海上・トラック会社などからの仕入れ、通関、倉庫、ITなど業務の数だけ部署があり、世界中のスタッフが関わっている。密なコミュニケーションが必要不可欠なのだ。

とは言え、言語や文化の壁もあるはず。営業企画担当・係長の伊藤正信さんは、「コミュニケーションの中で大切にしていること」について話してくれた。

  • 伊藤 正信 さん
    伊藤 正信 さん

    国際物流事業本部 営業企画部
    営業企画担当 係長
    2006年入社。米国での研修、香港・広州駐在や都内の営業所勤務を経て2019年に現部署へ。現在は、アジア・オセアニア圏を担当しながら、航空輸出の現場業務改善プロジェクトにも参画する。

海外とのコミュニケーションというとやはり言葉の壁があると思うのですが。

伊藤さん
伊藤さん

入社して間もない頃は、『正しい英語を正しい文法で使わないといけない』と思い込んでいました。例えば、日本でビジネスメールの定型文になっている『いつもお世話になっております』『お疲れ様です』。これらを英語で何というのか悩みました。

ペラペラ話せないと、スラスラ書けないと……などと思ってしまいます。

伊藤さん
伊藤さん

丁寧な言い回しは大事だと思いますが、それは定型文を毎度用いるのとは異なると思います。私が以前勤務していたNNR香港社では、駐在員が代々共有している「相手には伝わってこそ意味がある」という考え方があります。これを私なりに英語のコミュニケーションに適用し、ペラペラやスラスラよりも、「端的にわかりやすく伝える」「相手の言いたいことを一生懸命に理解する」ことを大切にするようになりました。つまり今もペラペラではない、ということですが (笑)

言葉について、他に気をつけていることはありますか?

伊藤さん
伊藤さん

仕事には専門用語が付き物です。海外とのコミュニケーションでは世界で使われている航空、海運などの専門用語の知識は欠かせません。

ここ何年かは日本でも海外でも顔と顔を合わせて直接コミュニケーションをとることが難しく、逆にオンライン会議が浸透しましたね。

伊藤さん
伊藤さん

現在、オンラインのミーティングは一般化しましたが、世界会議で使うときなど、最大でどれくらいの人がログインできるか、社内回線に負荷がかかってダウンしないか、参加者はうまく画面操作できるかなど、「新しいコミュニケーション方法は難しい!」と感じました。一方で、日本へ渡航できない人にも参加するチャンスが広がり、コミュニケーションの広がりという点で有効な手段だと感じました。

新ツールでコミュニケーションをさらに深めよう!

前述のオンライン形式の世界会議でも活用された「グローバルポータルサイト」。2020年にグループ間の連携強化を目的にNNR GLOBAL LOGISTICSのグループ社員なら誰もがアクセスできる社内ポータルとして開設された。サイト内には業務関連の情報掲載に加えて、コミュニケーションの場としての機能もある。

例えば、部署紹介のページには、ランチの紹介や海外の社員がグループの同僚へ向けたメッセージ動画も掲載される。グローバルポータルサイトはツイート機能も備え、即座の情報共有にも対応する。

NNR香港社のランチ紹介ページ

こうしたオンラインのシステムの進化がブースターとなって、NNR GLOBAL LOGISTICSのコミュニケーションはさらに進化していくに違いない。

ツイートされたオランダの風車の写真
NNR上海社のメッセージ動画

途切れさせることのできないインフラ事業

世界中の人々にとって、いまや不可欠なインフラとなった国際的な物流事業。オンラインで、また実際に顔を合わせることでつながった各国のNNR GLOBAL LOGISTICSの仲間たちが、確実な手配、そしてこれからの発展を担っている。

途切れさせることができない、重大な使命を帯びた事業。NNRではそのために、全体で、各事業所間で、部署内で、日々、数えきれないほどのコミュニケーションが取られている。

貨物は飛行機や船といった輸送機関で運ばれ、企業や人々のもとへと届く。
コミュニケーションが架け橋となって、今日も私たちの街や暮らしを支える貨物が世界中を行き交う。

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