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「NNR GLOBAL LOGISTICS」のブランド名で、世界中でネットワークを構築している西鉄の国際物流事業本部。今回は、ヨーロッパの重要な拠点の一つであるNNRフランス社の本社を訪問。オフィスや倉庫を取材するとともに、取り扱い実績やフランス社の特徴について話を聞いた。
「NNR GLOBAL LOGISTICS」(以下、NNR)のブランド名で物流事業を展開している西鉄の「国際物流事業本部」。現在は世界26ヵ国・地域、119都市(2025年12月時点、日本の拠点を除く)まで営業拠点を拡大し、航空や海上輸送事業、在庫管理などのロジスティクス事業などを展開する。
EU圏内では、ヨーロッパの物流ハブとなっているオランダをはじめ、イギリスやドイツなど9カ国に拠点を展開する。なかでも今回は、NNRフランス社を訪問。パリ・シャルル・ド・ゴール空港から西へ、車で約15分の場所にオフィスと倉庫を構えている。

オフィスに入ると、NNRフランス社を率いるFranck Aimé(フランク・エメ)社長と、日本から出向中の阿部瑛里紗さんが迎えてくれた。

約1500㎡の敷地内にオフィスと倉庫を持つNNRフランス社。オフィスは部署ごとに部屋が分かれていて、用件があれば各部屋を行き来しながらコミュニケーションを取っている。

エメ社長に話がある時は、こんな感じでイスを近付けて打ち合わせをしているとか。なんだかフレンドリーな雰囲気!

そのまま阿部さんに案内してもらい、その他の部署の執務室も見学させてもらった。




こちらは食事でも利用できる休憩室。


フランスはお昼休みをゆったり取る習慣があり、フランス社でも約90分の休憩時間があります。私は近くの飲食店に行ったり、宅配サービスを利用したり、サンドイッチを持参したり、日によっていろいろですね。


敷地内には倉庫もあります。お預かりした貨物の梱包や確認、一時保管などに利用しています。


ヨーロッパ9ヵ国にある「NNR」の拠点。同じヨーロッパでもそれぞれの国によって取り扱い貨物の実績には違いがある。エメ社長と阿部さんに、NNRフランス社の歴史や取り扱い貨物の特徴について教えてもらった。
NNRフランス社の拠点数や規模について教えてください。

パリの本社以外に、北西部のルアーブル支店、南部のマルセイユ支店の3拠点で活動しています。本社に約30名、ルアーブルで7~8名、マルセイユで3名。合わせて約40名が働いています。NNRフランス社となったのは2018年で、1995年から歴史があるGSI社という地場の物流会社が前身です。私を含め、GSI時代から30年以上勤務しているスタッフもたくさんいます。
取り扱い貨物の特徴は?

本社以外の2拠点は港の近くにあり、海上貨物と航空貨物のバランスを取りながら営業しています。近年の実績では、海上貨物では主に工業製品、航空貨物では主に化粧品関連製品やLive animalの輸出がメインです。輸入では、海上貨物としては工業製品や食品、航空貨物として工業・医療関連機器や部品、半導体や化学品が多いですね。

日本向けの輸出入実績については、輸出よりも輸入貨物が多い状況です。機械類や精密機器、建築関係の資材、医療関連、食品、コスメ、お酒、調味料などさまざまな分野があります。


動物の輸出実績が豊富で、生き物を専門に扱う「live animal」チームがあるのも私たちフランス社の特徴です。生き物の輸送には特定の証明書が必要で、資格を持ったフォワーダーや航空会社でしか取り扱うことができません。フランス社では、マネージャー含めて7名の「live animal」チームが24時間体制で輸送に対応しています。


特に特徴的なのは「雛鳥」の航空輸出です。ワクチンの関係で、雛鳥は生後3日目までに輸送を完了しなければなりません。そうなると、生後1日目から輸送を開始する必要があり、生後間もない状態のため取り扱いには細やかな配慮と熟練の技術が求められます。


私たちには長年蓄積してきたノウハウがあるので、スムーズに出荷までサポートすることができます。特別な倉庫を持ち、暖房や隙間風からの保護、出発前の雛鳥への水分補給など、マーケットに特化した細やかなサービスが強みです。以前はアフリカ向けの輸出がメインでしたが、近年はアジア向けが主流となっています。


そのほか、フランス社ならではの仕事の進め方や慣習などはありますか?

集荷から納品や請求までの業務は分担するのが一般的だと思いますが、フランスでは貨物の集荷からトラックの手配、書類の処理、請求書の発行など、一連の流れをすべて一人で担当できる知識を持っています。
特別な社内研修などがあるのでしょうか?

そういうわけではないのですが、GSI時代からの習わしですね。もちろん、航空輸送や海上輸送に必要な資格はありますが、基本的には働きながら教わるOJTスタイルでそれぞれが現場のやり方を学び、伝えています。
そこに西鉄ならではのグローバルネットワークや連携力が加わり、日本的なこまやかなサービスが強みとして加わりました。フランス社は熟練のスタッフがたくさんいるので柔軟な対応が可能で、そのノウハウが受け継がれているんです。

日本とフランスのお客さまで、求めるサービスに違いはありますか?

フランスでは「No news is good news」という感覚が一般的で、問題なく輸送が進んでいれば細かく連絡を取ることはありません。一方、日系企業のお客さまは、正確性や一歩先を読む対応など、日本的なサービスを求められています。良い点もそうでない点も細かく報告することが重視されるので、その感覚の違いをフランス社のスタッフと調整する必要があります。

陸続きであるヨーロッパでは、トラック輸送をはじめ物流網全体の連携力が今後も重要なカギとなる。グローバルなネットワークを持つ「NNR GLOBAL LOGISTICS」では、各社の強みや地の利を生かしたサービスをすでに構築している。
ヨーロッパ圏内の連携体制は?

日ごろから常に連携は取っていますが、近年では、2020年のイギリスEU脱退が大きなニュースでした。その打撃もありましたが、逆手に取って通関などのサービスを充実させればビジネスチャンスになると見ており、UK社のトラック部門と連携してサービスを構築しています。各社の強みを生かして、一社のお客さまをEU圏内のNNR全体でサポートしていけたらと考えています。
また、半年に一度はヨーロッパ圏内の社長が集まってミーティングを開催しています。マーケットやトピック、政治情勢などの情報共有、課題の相談、具体的な業務連携の話など、話題は多岐にわたります。
直近では、NNRのブランドイメージをいかに向上していくかといったことも話題になりました。日本企業であることはフランスやヨーロッパで良い印象につながるので、そのイメージをうまく生かして事業や採用を強化していきたいと考えています。フランスで信頼を得るにはお客さまの口コミも重要なポイントであり、人脈づくりも営業の要だと考えています。
フランス社の今後の展望は?

私たちの強みである「live animal」の取り扱いについては、犬や猫などのペットの輸送もさらに強化したいと思っています。また、フランス南部にある都市トゥールーズは、ヨーロッパの航空宇宙産業の中心地で、航空機メーカーや関連機器メーカーが多数集積しています。航空機関連の取り扱いは今後も成長が見込めるのではと見ています。


さらに、今後特に伸ばしたい実績は、美術品やラグジュアリーブランドなどの取り扱いです。フランスでは、新規の営業を獲得するにはコネクションと過去の実績が重要視されるので、新しい人脈を広げながら成長を続けたいと思います。
長い歴史のなかでノウハウを築き上げてきた「live animal」チームをはじめ、知識と技術を兼ね備えた熟練の顔ぶれがそろうNNRフランス社。NNRが築き上げてきたヨーロッパ内の連携力を生かしながら、今後もさらなる飛躍を見せてくれるに違いない。
各社の強みを生かしながら世界中で実力を発揮する「NNR GLOBAL LOGISTICS」。西鉄ならではのグローバルネットワークとこまやかなサービスを糧に、これからも大きく成長を遂げていくはずだ。

NNR GLOBAL LOGISTICS
セールスマネージャー
2019年、西日本鉄道株式会社に入社。名古屋、東京で数年ずつ勤務した後、2022年10月からオランダでの海外研修へ参加。研修終了後、2023年10月からNNR GLOBAL LOGISTICSに出向中。

NNRフランス 社長
NNRの前身GS INTERNATIONAL FRANCEに1996年入社。セールスマネージャー、海運オペレーションマネージャー業務の経験を経て、2018年にNNRフランス社に社名変更。2022年より現職。
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