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西鉄の強みを活かした「まちづくり」福岡・天神の魅力創出に向けて長期ビジョン連載記事 vol.2

西鉄の強みを活かした「まちづくり」 福岡・天神の魅力創出に向けて 長期ビジョン連載記事 vol.2

2022年11月に公表された西鉄の長期ビジョン「まち夢ビジョン2035」。2050年から逆算して、2035年までに多岐にわたる事業を展開する西鉄がどのように歩んでいくのかを記した指針である。今回は数ある事業の中でも「まちづくり」を担う都市開発事業本部の安丸勝晃さんに、2035年を見据えたまちづくりについて話を聞いた。

目次

「まち夢ビジョン2035」とは?

西鉄が定めた「まち夢ビジョン2035」は、2050年という、さらに先の未来のためにつくられたものだ。2050年からのバックキャストで、2035年という目的地を描いている。

数ある事業の中でも、昨今の注目度が高いものの一つに「まちづくり」の分野がある。たとえば現在、天神ビッグバンの中心地として福ビル街区の開発が行われている。

福ビル街区の事業主体である西鉄は『創造交差点 meets different ideas』をコンセプトに掲げ、(仮称)新福岡ビルがオフィス、商業、ホテル等の様々な用途で使用される予定だと明かしている。(仮称)新福岡ビルは、これまでにない偶発性と多様性に満ちた場所になることだろう。

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西鉄が取り組むのは、天神エリアの開発だけではない。西鉄沿線エリアでも個性あふれるまちづくりに取り組んでいる。いったい、2035年のまちづくりはどうなるのか。都市開発事業本部の安丸勝晃さんに話を聞いた。

  • 安丸 勝晃さん
    安丸 勝晃さん

    都市開発事業本部営業部
    営業統括担当 課長
    まちづくりに興味があり、2004年に西鉄入社。福岡駅ビルのリニューアルや千代県庁口スクエアの開発等を行う。福岡銀行へ出向したのち、(仮称)新福岡ビル開発計画に6年間携わり、主に地区整備計画の策定、行政協議、地権者との交渉、基本構想の業務を行っていた。レイリア大橋、エマックス・クルメの館長の経験も。

福岡から海外まで蓄積したノウハウで挑戦

「まち夢ビジョン2035」に、まちづくりの観点ではどのようなプロセスで取り組んでいったのでしょうか。

安丸さん
安丸さん

まず2050年に起こるべき社会の潮流を検討しまして、人口減少、デジタル技術の革新、環境問題に対する国際的なコンセンサスだとか……。大きな潮流のところから、2035年に不動産に起こるであろう「変化」を整理しました。

膨大なテーマですね。西鉄の力を活かすとなると、どうすればよいのでしょうか。

安丸さん
安丸さん

西鉄の強みを活かせるという観点で、エリアを絞りました。具体的に言うと、天神エリアと西鉄沿線エリアですね。さらに海外にも目を向けています。

なるほど。エリアを絞ることで、現実的に見えてきますね。日本国内に限らず、海外もですか。

安丸さん
安丸さん

海外は、東南アジアですね。これまで培った沿線開発のノウハウを詰め込んだ日本品質の安心快適な街を海外でも提供する。モビリティのノウハウはもちろんのこと、住まい、ホテル、エネルギー開発、ウェルネスの分野でもチャレンジしたいと考えています。

まさか、西鉄がそこまで広範囲にチャレンジをしようとしているとは。

安丸さん
安丸さん

西鉄の強みは、やはり今まで沿線開発をやってきたノウハウですからね。いろいろな事業部署があり、そのグループ会社との相乗効果によって、地域の方々に喜ばれるようなストーリーを描いています。

地域特性に合わせた個性あふれる西鉄沿線のまちづくり

西鉄沿線エリアのまちづくりについては、どのようなビジョンをお持ちなのでしょうか。

安丸さん
安丸さん

西鉄沿線エリアにおきましてはコンパクトな都市機能集積等、持続可能なモビリティ体系を備え、ローカルな能力を活かした個性あふれる街を目指しています。

西鉄沿線は駅ごとに個性があって、面白いですよね。

安丸さん
安丸さん

そうです。例えば、久留米であれば医療の街なので、病院行くなら久留米に、観光したければ柳川にすぐ行けるとか。自分の好きなエリアに住んですぐに天神に行けるという環境ができるとすれば、沿線の特色に合わせたまちづくりをすることで、今の生活がより豊かになっていくんじゃないかなと思っています

さらに福岡での生活が豊かになっていきますね。福岡の魅力が、より活かされるようになりそうです。

安丸さん
安丸さん

福岡って、他都市に比べて空港からも近いですし、食べ物も美味しいし、近くに大きな公園があって海も近い。

こんな魅力的な街、なかなかないですよね。

安丸さん
安丸さん

外国人も含め、新たに福岡に来た方と地元の方との関係性が濃くなると、よりいいかなと思っています。福岡で働く外国の方も新しく福岡に来た人たちとも一緒に盛り上げていくような関係性、つながりができると非常にいいかなというふうに思っています。

西鉄だから挑戦できる福岡のまちづくり

天神エリアのまちづくりについて、どのようなビジョンをお持ちなのでしょうか。

安丸さん
安丸さん

天神エリアに関しては、多種多様な人が集い、交わり、ビジネス文化、アート、学術等の創造性あふれる街にしたいと考えています。

いいですね。天神エリアに最先端のものが集まっていると、ワクワクします。

安丸さん
安丸さん

天神のまちづくりから、ビジネスチャンスを創造したいと考えています。たとえば、天神ビッグバンの中でも中心地である福ビル街区の開発も「つくって終わり」ではないと思うんです。

その後の活用が重要ですよね。

安丸さん
安丸さん

そうです。福ビル街区で多種多様な人たちを呼び込もうとする動きや、「創造交差点」というコンセプトをいかに天神の街に広げていくかということが、非常に大事だと思います。

「創造交差点」というのは、どのような意味が込められたコンセプトなんですか?

安丸さん
安丸さん

「多様な人々が行き交う交差点」という意味合いです。福ビル街区が多様性を生み出す場所となり、新しいものが生まれるきっかけになるという意味が込められています。そういった意味を考えると、もっと外資系の企業を呼びたいですね。

外資系の企業を呼び込むためには、どのような活動が必要になるんでしょうか。

安丸さん
安丸さん

都市開発の方でインフラの整備や、ベンチャー企業さんとのビジネスマッチングの機会を生み出すことなどですかね。

天神エリアをもっと活性化させるために、安丸さんご自身はどのようなお仕事をしたいと考えていますか。

安丸さん
安丸さん

小学生とか中学生の世代に僕は天神で遊んでほしくて。天神でアートや新しいものに触れた経験が、将来大人になった時に役立つような。そんな未来につながることを、今の段階から積極的にやっていきたいと思っています。

いいですね。子供の頃の「かっこいい」「おもしろい」と感動した体験って、大人になってもキラキラと残ってますよね。具体的にどんなことをしたいと考えていますか。

安丸さん
安丸さん

例えば天神を盛り上げるためのイベントを我々単独でやるのではなく、いろいろな事業者さんの空地を利用して面的にイベントを実施する。その中でアートのイベントをみんなでやることで、「何か天神って文化的なにおいがするね」とか。

新しい「天神らしさ」が生まれそうな、面白いアイディアですね。そうなると、よりいっそう、天神に人が集まってきそうですね。

安丸さん
安丸さん

天神に人が集まってくれば、私どもには商業施設やホテルがあるので、そういった場所をリニューアルして、もっと楽しんでいただけるようにするということも考える必要が出てくると思います。

「まち夢ビジョン2035」は西鉄が新しくなるきっかけ

安丸さんは「まち夢ビジョン2035」に対して、どのような想いで向き合っていらっしゃいますか。

安丸さん
安丸さん

僕は「西鉄が新しくなるきっかけ」かなと思っていて。西鉄が掲げるビジョンが伝わってほしいなと思います。

「まち夢ビジョン2035」が実現していくと、西鉄への期待度は上がっていきますね。

安丸さん
安丸さん

これから西鉄に入社したいと考える方の見方も変わってくるはずです。モチベーションも上がって、さらに新しい西鉄へとつくり変えてくれると思っています。

すばらしい好循環ですね。そういった、西鉄の2035年に向けた変化が、福岡で暮らす人たちにどのような影響を与えると思いますか。

安丸さん
安丸さん

よりいっそう、誇りが持てる街になると思います。企業、行政やその他の団体との繋がりがより強固なものとなり、福岡を良くするための行動が起こせるといいですね。それが福岡独自の強みになることが望ましいと思います。

さらに活気のある福岡の街になりそうで、ワクワクしてきました。本日は貴重なお話をありがとうございました!

福岡において、これほどまでに多くのインフラを独自で運営している企業は、西鉄のほかにはない。そんな西鉄だからこそ、挑戦できる「まちづくり」がある。

西鉄がその社会的な責任を自覚し、理想に向かって、前向きに「まちづくり」と関わっていく。そうすることで、より利便性の高い、住みやすい街に貢献できることは間違いないだろう。

これまでに蓄積したノウハウを、福岡だけではなく、海外を含んだ他地域にも展開することができればより貢献度は高まっていくはずだ。

そのためにも、まずは西鉄の事業基盤である天神を盛り上げることは必要不可欠。2035年のまちづくりのカギを握る、安丸さんの今後のチャレンジに注目したい。

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