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西鉄ストアが展開するうどん店「博多やりうどん」が、なんとこの度海外へ進出することに。場所は香港の繁華街・尖沙咀(チムサーチョイ)地区。若者やビジネスマン、観光客でにぎわい、人気の飲食店も数多く立ち並ぶエリアだ。
現在は福岡県内に3店舗を展開。関東や関西にはまだ店舗がないにもかかわらず、県外初出店がまさかの海外とは!! 2025年10月25日のオープン前に店舗に足を運び、店舗やメニューについて取材してきた。

人気チェーン店の東京進出など、近年ますます盛り上がりを見せている福岡のうどんブーム。そんななか、西鉄ストアが運営する「博多やりうどん」が海外に出店するというニュースが飛び込んできた。
昭和42年に折尾駅で開業し、現在は西鉄福岡(天神)駅にある福岡店、福岡空港国内線ターミナルにある別邸(空港店)、西鉄久留米駅にある久留米店の3店舗を展開する。


次に新店舗ができるなら「もしかして、関東か関西か?」と思っていたのだが……。
まさか!
県外初出店が、香港……だと?!
福岡のうどんが海外に。
そう聞いただけでもワクワクしてくるが、地元民として気になるのは「福岡と同じ味が楽しめるのか?」ということだ。
百聞は一見に如かず。エヌカケル編集部は香港へ飛んだ。
福岡から飛行機で約4時間。
「博多やりうどん」香港店がある香港・尖沙咀(チムサーチョイ)地区にやってきた。

香港・九龍半島南端にある商業地区で、九龍地域でもっともにぎわう繁華街として知られる尖沙咀。都市部には超高層ビルが立ち並ぶが、路地に入ると昔ながらの風景が残っている。その両方が共存するまちの景色は、まさに「混沌」という言葉がぴったり。さまざまな人種が昼夜を問わず行き交っている。


「博多やりうどん」があるのは、香港の地下鉄・MTRの「尖沙咀」駅から徒歩およそ5分のまちの中心部。飲食店やファッションビルが入居する商業施設「Mira Place(ミラプレイス1」の2階に、2025年10月25日(土)にオープンした。


こんな場所に、われらが「博多やりうどん」があるなんて、なんだか夢みたいだ……。
店内ではどんなメニューが提供されているのか?
福岡の味が、ちゃんとそのまま楽しめるのか?
さっそく店内へ入ってチェックしてみよう。

店内は42席。福岡空港店のデザインをベースに、和モダンな雰囲気に仕上げられた。うどん居酒屋としてオープンした「博多やりうどん香港」。「夜はゆっくりお酒と料理を味わってほしい」との思いから、客席はゆったりとしたレイアウトになっている。
あっ、この人形は見覚えがあるぞ!

「博多やりうどん」の代表メニュー誕生のきっかけとなったこの人形。
福岡藩の武士たちが歌っていたとされる「黒田節」の一節に、「酒は呑め呑め呑むならば日の本一のこの槍を呑みとるほどに呑むならばこれぞまことの黒田武士」とあることにちなんで、槍を模した長さ32センチの「名物!博多やりうどん」と、「天下三槍うどん」が生まれたのだった。
となれば、さっそく名物メニューをチェックしてみようではないか。
まずは「名物!博多やりうどん」から。
丼がテーブルに着く前から、だしの良い香りがふわりと漂ってきて食欲が刺激される!


スープをひと口すすれば、目が覚めるようなうまみと香りのダブルパンチ。
福岡の味と変わらない味わいに、香港にいることを忘れそうになる!
「博多やりうどん」はスープが命。
毎日朝早くからだしを取り、その日のうちにすべてのスープを使い切るスタイルを貫いている。

昆布とかつお節の一番だしを、独自の配合のあごだしと合わせるオリジナルのレシピ。長崎・平戸産の焙煎焼きあごや鹿児島・枕崎産のカツオ、熊本・天草産のウルメイワシや熊本・牛深産のサバなど、九州産の素材を厳選して使っているのもポイントだ。
福岡の味を忠実に再現するために、ここ香港店でも、毎日スープを手づくりして提供している。


スープの取り方を学ぶために、福岡での研修に参加しました。福岡から届く素材を使って、ここ香港店でもていねいに手づくりします。香港のお客さまにもぜひ、フレッシュなスープを味わってほしいですね。

麺は、福岡県産の「ニシホナミ」を使ったオリジナルの配合。もっちり柔らかな口当たりが香港でも健在だ。福岡で提供している麺と同じものを調理するので、香港でも福岡の店舗と同じ味わいが楽しめる。


そして、目玉となる長さ32センチの「ごぼう天」も、福岡の店舗と同じように手切りで調理。ゴボウは中国・山東省産のものを使用。山東省のゴボウと言えば、香港では特産品として知られているのだとか。
丸天は福岡の工場で作られたものを冷凍空輸で仕入れている。
博多やりうどんを象徴する一杯は、まさしく福岡の味そのものだった!
ちなみに、「名物!博多やりうどん」は1杯98香港ドル。
1香港ドル=約20円で計算すると、1杯の価格は約1960円となる。
尖沙咀の繁華街では普通のランチ価格なのだとか。
その他、「天下三槍うどん」や「えび天うどん」、「明太うどん」なども提供されている。


また、香港店ならではのオリジナルメニューや、「やりうどん」のあの名物うどんも今後登場する予定だ。

桜えびをふんだんに使った「桜えび味噌うどん」。鮮烈なえびの香りと味噌をベースにしたスープが見事にマッチした、香港店料理長による渾身の創作メニューだ。
新しいメニューの登場をお楽しみに!
うどん居酒屋としてオープンした「博多やりうどん」香港店。お酒にぴったりの単品メニューも並んでいた。
「ごぼう唐揚げ」は、2023年に「博多やりうどん久留米店」で提供されていた期間限定メニュー。スライスしたゴボウチップスの塩味で、お酒が進む!

その他、一部のメニューは準備中だが続々と福岡らしいおつまみが登場。好みのお酒と合わせて楽しんでほしい。
また、こちらは豆腐を花形にアレンジした香港スタイルの「湯豆腐」。うどんだしと一緒に味わう、香港店オリジナルメニューだ。



そして、ドリンクメニューにも注目を。今回、香港店のオープンにあたり協業した現地のパートナー企業は、香港で日本酒バーを経営し、数多くの日本酒を取り扱うお酒のプロフェッショナル。海外とは思えないほど充実したラインナップに驚くはず!


オープン後は、特にランチ営業が大好評とのこと。うどん+日替わりの小鉢2種類がお得に味わえる。


今後、お客さまの反応を見ながらメニュー構成を検討し、うどんやおつまみのラインナップを増やしていく予定だ。
讃岐うどんなどの硬い麺とは異なり、柔らかな食感が特徴となる博多のうどん。日本ならではのだしとやわ麺は、現地の方々に受け入れられるのだろうか?
現地の香港人の方々に、「博多やりうどん」の感想を聞いた。


「スープがとてもフレッシュ。香りが印象的ですね」
「香港人にとっては麺が柔らかすぎるかも、と聞いていたけど、自然に味わえる柔らかさでした」
「香港は濃い味の料理が多く、濃い味を好む人も多いけど、このうどんはスープのうまみが強いから見た目以上にしっかりとした味わいだと感じた」
「ごぼう天のインパクトがすごい!ゴボウをこんな調理法(天ぷら)で味わうのは初めてで、特有の甘みがあって新鮮でした」
好意的なコメントが多く、エヌカケル編集部としてもうれしい限りだ。
一方、香港で働く日本人のみなさんにもインタビュー。味の出来栄えに大いに満足した様子だった。


「博多やりうどんが、まさか香港でも味わえるようになるなんて驚きですね。厨房で朝から炊いてとっただしは、やはり香りやうまみが格別です」
「北九州出身の私としては、福岡のうどんは懐かしのソウルフード。麺もスープも福岡で食べるのと変わらないし、特にサクサクのゴボウ、おいしいですよね。店内の落ち着いた雰囲気も気に入りました」
「まずはビジュアルが抜群ですね。ごぼうのインパクトに丸天、きれいに整ったうどん、そして透き通ったスープ。食べてみるとそれぞれ味わい深く、香港で食べることができて大満足です。日本人なら懐かしさを感じるだろうし、香港の方々にも万人に好まれる味だと思います」
日本では、香港店のオープンを記念して、福岡県内3店舗で2025年10月1日(水)から11月16日(日)まで特別メニューが提供された。


海外にうどん居酒屋として初出店し、新たな歴史を歩み始めた「博多やりうどん」。そのフレッシュなスープと独自のもっちりやわ麺、長さ32センチのごぼう天は、香港でも健在だった!
香港を皮切りに、引き続きアジア圏での出店を計画中だという。次はどこに進出するのか?その動向から今後も目が離せなくなりそうだ。
「博多やりうどん香港」
【住所】香港尖沙咀(チムサーチョイ)彌敦道(ネイザンロード)130 Mira Place1 2階
【営業時間】12時~24時
【席数】 42席
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