「北九州エリア24時間フリー乗車券」は、北九州を走る西鉄バスが、なんと1日1,000円で乗り放題になる太っ腹なチケットだ。
このチケットを使って北九州の魅力を再発見するために、エヌカケル編集部は2024年4月に新しくできた北九州市役所の「Z世代課」に協力を依頼。「北九州市を盛り上げたい!」と集まった「Z世代課パートナー」たちに、Z世代視点で北九州のディープな魅力を掘り下げてもらった。
ルート考案者【Z世代課パートナー】
9歳のとき、両親から突然手渡された西鉄バスの1日乗車券が人生初の旅。以来、地元北九州をはじめ、日本各地を一人で巡りながら文化や歴史、食の豊かさに触れてきた。現在は大学生として北九州で学びながら旦過のゲストハウスで活動中。北九州の風景をイラストに描いたり、旅の中で出会った郷土料理の魅力を伝える料理イベントを企画したり、幅広く地域をつないでいる。
【Z世代課パートナー】
熊本生まれ、熊本育ち。大手保険会社に勤める社会人1年生。最初の赴任地が北九州・小倉となり、北九州を開拓中。ファッションが大好きで、学生時代に洋服にハマる。
【Z世代課パートナー】
鹿児島出身、19歳の大学生。大学で地域創生について学んでいる。将来の夢は地元に戻り市役所に勤務すること。カメラが趣味で、イベント時や旅先でもよく写真を撮って情報発信を続けている。
今回使うフリー乗車券は、紙券も販売しているが、快適な旅の移動をサポートするアプリ「my route(マイルート)」からも購入できる。アプリのダウンロードはもちろん無料。アプリ内では、お得に移動ができるさまざまなチケットが販売されている。
利用登録後に「お得におでかけ」のタブからチケットの購入を。枚数を選んで購入後、ボタンひとつですぐに使えるので便利!
今回めぐるおすすめスポットとコースはこちら。
※取材は日曜に実施。バスのダイヤや店舗の営業状況は変更の場合がありますので、事前にそれぞれご確認ください。
9時、小倉駅からスタート。駅から徒歩約5分の場所にある門司港方面に向かうバス乗り場に向かい、門司港レトロ地区をめざす。
路線バスに乗ると、約40分で門司港に到着。門司港駅の駅舎や旧大阪商船、「ブルーウィングもじ」などを見ながら周辺をまわる。
門司港と言えば「ブルーウィングもじ」。開橋・閉橋時間が決まっているから、ホームページで事前にチェックしておくといいですよ。
せっかくなら歩いて渡りたいよね。景色も最高!
ちょっとかっこつけて撮ってみた(笑)
いい感じ!写真に撮りたくなる建物や風景がたくさんあって楽しいな~!
11時、お腹が空いてきたので早めのランチタイム。名物の「焼きカレー」を求めて「伽哩本舗門司港レトロ店」にやって来た。平日でも1日中行列の人気店。お昼時は特に混みあうので、早めに動いておくのがおすすめ。
焼きカレーは10種類以上!種類がこんなに多いのは「伽哩本舗」ならでは。いろいろ迷った結果「バナナの焼きカレー」(S・1,000円~3サイズあり)と「ソーセージとコーンの焼きカレー」(S・1,000円~3サイズあり)を食べることに。
熱々でおいしい!チーズがいい具合にとろけてくるね。バナナはどう?
今まで味わったことない組み合わせ。でも、意外に合う!おいしいよ。
メニュー表を見ていたら「門司港新名物」を発見!「港町ブイヤベース」(700円、数量限定)も追加で注文した。
エビやムールなど具沢山。ふぐも入ってるね。
魚介のうまみがカレーに加わって絶妙な味わいに。この組み合わせ、おもしろいね。
■伽哩本舗門司港レトロ店
北九州市門司区港町9-2阿波屋ビル1階
電話:093-331-8839
営業時間:11:00~19:30不定休
お腹がいっぱいになったところでバス停へ。まだまだ見たいところはたくさんあるけど、午後のスポットをめがけて小倉方面へ移動する。
楽しくおしゃべりしてたけど、いつの間にか……
あっ、田中さん寝ちゃってる。これもバス旅ならではだね。食後のバスの揺れって最高に気持ちいいもんなぁ。
「砂津」で乗り換え、「貴船町」まで移動して「TOTOミュージアム」へやって来た。
館内では、パネルや展示資料を通してTOTOのルーツや歴史、ものづくりへの想いなどに触れることができる。
昔は陶磁器を作ってたんだ。知らなかった!
TOTOと言えば、水回りの革命とも言える「ウォシュレット®」。また、トイレやバスルームの歩みは「水」とは切っても切り離せないもの。人類の生活様式の変化に合わせて発達してきた水まわりの変遷を学ぶ。
いろんな展示品があってわかりやすいね。
トイレもバスルームも暮らしに身近なものだから、ものすごくリアルだよね。ゆっくり見てたら時間が足りなくなっちゃう!
■TOTOミュージアム
北九州市小倉北区中島2-1-1
電話:093-951-2534
営業時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)月曜・年末年始・夏期休暇
※開館時間、休館日は変更となる場合があります。事前にご確認ください。
次は戸畑へ移動。バスに揺られて約45分。小倉とはまたちょっと違うまちの雰囲気になってきた。
「浅生通り」のバス停から徒歩約10分。レトロなアパートの一室をリノベーションした間借りスペース「犬丸荘」では、コーヒーショップやアクセサリー店、ヨガ教室などさまざまなジャンルのお店が日替わりで営業を続けている。
「犬丸荘」と「いぬまる商店」の店主を務めるのは犬丸優子さん。両親が営業していた「いぬまる商店」は一時閉店していたが、閉店を惜しむまちの人々の声があまりにも多かったことから一念発起して営業を再開。昔も今も変わらず、まちの人と人をつなぐ場所となっている。
また、この日の午後営業していたのは、コーヒーショップの「sou.」。静岡から戸畑に移り住んだ店主の森尾彰太さんが淹れてくれたコーヒーでひと休み。
それぞれのお店を目当てに来たお客さんたちがいつの間にか仲良くなる、なんてことも当たり前。
こんな場所があるなんて知らなかった。日替わり店主っておもしろいよね。
新しい出会いや刺激があっていいよね。初めて来たけど、和やかな雰囲気だったからすっかりリラックスしちゃった。
近くには駄菓子屋「いぬまる商店」もあるが、土・日・祝日はお休み。営業予定やイベント情報はインスタグラムで更新中なので、事前にチェックして向かおう。
■犬丸荘
北九州市戸畑区丸町2-7-14
Instagram:@inumaru_sou
■いぬまる商店
北九州市戸畑区新川町6-8
Instagram:@inumarushouten
営業時間:15:00~18:00
営業時間や店休日は不定のため、インスタグラムからご確認ください。
犬丸荘を後にして、バスを乗り継ぎ次なる目的地へ。北九州と言えば角打ち!「マスヤ酒店」は手ごろな価格でお酒が楽しめる酒販店。店内は立ち飲みスペースとテーブル席に分かれている。
おすすめの食事メニューは「スモール三品」(350円)。これだけで十分お酒が進みそう!
さらに、その日のおすすめの一品「まかせて一品」(各350円)を3品注文。この日はカレーソースのハンバーグや麻婆豆腐など。どれもお酒が進む味付け!金曜日にはちょっと豪華な「はなきんメニュー」が登場するとのこと。
私は未成年なのでソフトドリンクで乾杯。20歳になったらここでお酒デビューしたいなぁ。出身の鹿児島の芋焼酎もたくさんある!
日本酒なら「飲み比べセット」(680円、18時までは550円)が人気みたい。おいしいお塩付きでお酒が進むんだって。
■マスヤ酒店
福岡県北九州市戸畑区旭町1-20
電話:093-871-4173
営業時間:カフェ&スイーツ11:00~15:00、角打ち16:00~20:00、金・土曜は~21:00(L.O各15分前)日・月曜・祝日休み。
※不定休日あり
※お正月やゴールデンウィーク、お祭りの期間は変更あり
昭和42年創業の「ステーキハウスモーシャトー」は、銀座にあった名店「ステーキハウスモーシャトー」の味を伝える老舗のステーキ店。昼は「焼肉ランチ」(950円)や「特選牛ヒレステーキランチ」(3,300円)など、夜は熊本のあか牛を中心に使ったコース料理(6,500円~、要予約)を提供する。
カウンターに立つ店主の木原英治さんとの会話も魅力のひとつ。県外から足を運ぶ常連客も少なくない。
お願いしたコース料理(8,000円)は、前菜、コンソメスープ、魚介類鉄板焼、特選牛ヒレステーキ、サラダ、デザートが付く。まずは熱々の海老やホタテから!
こんなに良いお店で食事するのは緊張するけど、おいしい!
続いて特選牛のステーキを味わう2人。
今まで味わったなかで最高の味です。来てよかった!昔の趣を残した店内も雰囲気があって、すごく贅沢な時間になりました。
■ステーキハウスモーシャトー
福岡県北九州市八幡東区中央2-19-9
電話:093-671-2620
営業時間:11:30~14:00、17:30~21:00
※夜は要予約
※水曜休み
最後に向かったのは「皿倉山展望台」。「ステーキハウスモーシャトー」から向かうなら、JR八幡駅まで向かって無料のシャトルバス(※他社運行)を利用するのが便利だ。
山麓駅の乗り場に着いたら、券売機でチケットを購入。ケーブルカーとスロープカーの往復通し券は大人1,230円。山上駅までケーブルカーで向かい、さらにスロープカーに乗り換えて展望台駅をめざす。
そして、展望台に向かうとそこは……
「新日本新三大夜景」に選ばれた全国1位で再認定された北九州市の夜景は圧巻!関門海峡まできれいに見えるね。
ここまで登る体験も含めて価値があるよね。
■皿倉山展望台
福岡県北九州市八幡東区大字尾倉1481-1
電話:093-671-4761(皿倉登山鉄道株式会社)
営業時間:ケーブルカー運行時間[始発]10:00、4~10月は22:00まで(上り最終21:20)、11~3月は20:00まで(上り最終19:20)
※スロープカーは、ケーブルカーの発着に接続
※火曜休み(祝日除く)
ケーブルカー・スロープカー往復通し大人1,230円
皿倉山を降りたら、山麓駅から徒歩5分ほどの場所にある「高速皿倉山ケーブル」バス停に向かい、小倉駅前までバスで約40分。
1日フリー乗車券は「いとうづ号」などの高速バスでは使えないけど、快速や150番といった路線バスタイプの車両で運行される系統なら、都市高速を経由するバスでも使えるんだって。
小倉まで戻るなら速くて快適でお得だね。
今日は1日北九州バスツアー、お疲れさまでした!
今日1日で移動したルートを通常料金で計算すると、なんとバスの料金は合計で2,790円。24時間のフリー乗車券は大人1名1,000円なので、およそ3倍もお得になった計算だ。
北九州に来てまだ日が浅いのですが、今回の企画を通じて、観光地や地元の特色のある場所を西鉄バスで巡り、北九州市について深く知るとても良い機会となりました。たくさんの魅力に触れ、北九州がもっと好きになりました!
今回めぐったのは初めての場所ばかり。知らないことばかりでしたが、さまざまな知識を得ることができました。趣味の写真もバスの車窓から撮ることができて良かったです! 24時間フリー乗車券で、とても楽しく充実した時間を過ごせました。
「日本一若者を応援するまち」を目指してZ世代課を立ち上げた北九州市。今回取材に協力してくれたZ世代課パートナーの2人は、「北九州を盛り上げたい、何かの役に立ちたい」との思いからZ世代課パートナーの委嘱を受け、まちのにぎわいづくりに貢献している。北九州市ではこれからもおもしろい企画が生まれそう!
「北九州市Z世代課パートナーズ」についても検索してみてください!
今回使った24時間フリー乗車券のほか、さらにお得な「北九州エリア48時間フリー乗車券」(1,800円)や福岡市内で使えるフリー乗車券も販売中。今回のルートはほんの一例なので、24時間でどこにどう行くかは使い方次第。
お得に楽しく、車なしで行きたい場所をめぐりたいならぜひフリー乗車券を活用してみてください! 24時間フリー乗車券は「my route」で買えるデジタル乗車券(1,000円)と紙券(1,200円)がありますので使いやすい方を選択してください!